小児科 すこやかアレルギークリニック

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奇跡かも
2011年03月26日 更新

春は出会いと分かれの季節です。

変な書き出しになってしまいましたが、実際に転勤は新年度ということで4月が多いと思っています。

当院の場合、アレルギーを専門にやっていることもあり、開院して新患の患者さんの来なかった日が記憶にないくらい、連日アレルギーで困っている患者さんが受診されています。近くの小児科や皮膚科に通っていた患者さんが移ってこられることも多く、4月に新規の受診が多いという訳でもないようです。一方、定期通院していた患者さんが「今度○○に引っ越しが決まりました。お世話になりました。」と言われることもあり、悲しい別れになります。

どの医師もアレルギーに詳しい訳ではないので、私の一番恐れていることは、手塩にかけて治療してきた患者さんが、転居先で医療レベルが下がり、私の治療方針と異なってしまうことです。親御さんは混乱してしまいますし、安定してきた症状がまた悪化してしまうかもしれません。

開業してみて分かったことは、「医師の医療レベルの格差がこんなにも大きいのか?」ということです。

開業医は、総合病院のようなブランドがないので、いわゆる“人気商売”と言えると思います。人気は本当に実力があり、親身にやっているが故のものと、そうでないものがあるように感じています。

敢えて言いますが、医学的根拠も何もない医療をやっていて、何故か患者さんが多いという医院さんもあります。ぜんそくを“風邪”、“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、“乾燥肌”と診断していることが多いのです。何か引きつけるものがあるのでしょうが、混んでいることを理由に、説明も大してなく、症状が改善しなくても同じ薬を処方し続けるような対応をしています。お子さんを守りたいのなら、ハッキリ言って受診は薦めたくないですね。

地元ならどの小児科医が何が専門で、どういう医療をやっているか、アレルギーは得意なのかなどは分かりますが、県外となると全く分かりません。学会などでよく顔を合わせる先生なら、間違いないですが、引っ越し先にそういった先生がいるとは限りません。

私が頼りにしているのは、日本アレルギー学会のホームページから各都道府県の小児科医であり、アレルギー専門医を検索できるので、それをもとに紹介状を書くべき先生を探しています。

これまで専門的知識を駆使して指導や治療してきた患者さんが転居する場合は、レベルの高い医療を受けられるところに紹介して初めて、その患者さんに対する責任を果たしたと考えています。多少離れていても、今は車社会ですから、間違いのない先生を紹介したいと思っています。

ただ、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医であっても「食物負荷試験」までやっているとは限りません。また、病院の専門医の先生の場合は、例えば熱を出して受診した場合、その先生に必ずしも診てもらえないことが多いと思います。開業医でアレルギー専門医で、「食物負荷試験」をやっている先生がベストだと思っています。でも、そんな小児科医は全国的にも多くないのが現状でしょう。

先日、湿疹の赤ちゃんが初めて当院を受診されました。ほとんどの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”と診断するようなケースですが、私はアトピー性皮膚炎と診断すべきと考えています。乳児湿疹には乳児湿疹の対応があり、アトピーにはアトピーの治療があります。いつも言っているように診断を間違えば、治療を間違えます。

当院でキチンと治療していこうと思ったら、何と月末には引っ越すという話です(涙)。「転居先でも“乳児湿疹”と診断される可能性が高いだろうな」と思いつつ、「どこに引っ越しするの?」と聞いてみると「浜松市」とおっしゃいます。

浜松と言えば、私の同志でアレルギーがご専門で、実力も折り紙付きの川田先生がいます。
http://kawada-ca-clinic.com/index.html

浜松も政令指定都市なので、広いだろうなと思っていたので、「浜松の何区ですか?」と聞くと「中区」と言うではありませんか。川田先生のクリニックも中区なのです!!!。転居先を聞くと、クリニックから2~3キロのところのようです。本当にビックリです。

実は、上のお子さんが咳が長引きやすく、当院で治療していたので、生まれて間もない赤ちゃんも連れてきて下さったのでした。乳児のアトピー性皮膚炎は食物アレルギーを合併しやすく、川田先生は当院と同じように開業医でありながら「食物負荷試験」も行っています。キチンとした負荷試験は、多分開業医の99%はやっていないと思われますので、上のお子さん共々安心して治療を委ねられます。

紹介状を書く際に、寂しさと不安を感じることが多いのですが、この患者さんに関しては何の躊躇もなく、送り出すことができそうです。

川田先生とはよく話していますが、我々が特別なことをやっている訳ではないのです。アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそくのガイドラインを遵守しているだけなのです。あとは、責任感と専門医としてのプライドが加わっているのだと思います。

逆に言えば、ガイドラインに沿ってキチンと診断し、治療している小児科医が少ないということになり、日本の小児アレルギーの現状を伺い知ることができると思います。私が紹介状をもっと安心して書けるような、アレルギーにこだわった専門医がもっと育って欲しいと願わずにはいられません。