小児科 すこやかアレルギークリニック

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2011年03月28日 更新

当院は、アレルギーの子どもを中心に診療していますが、熱が出た、吐いたなどという理由で受診されることもあります。

先日も、40度近い熱が出たことを心配して、親御さんがお子さんを連れてこられました。確かに小児科の受診理由の2番目が「咳」ですが、1番目は「発熱」です。当院もやっぱり“小児科”なんだと思わされます。

熱の原因は、いわゆる感染症のことがほとんどで、それも「ウィルス」と「細菌」に大別されます。熱が続くと、熱の原因を調べる必要が出てきます。2~3日続くようなら、当院では採血させて頂くようにしています。具体的にはCRPという炎症反応をみており、健康だと0.3未満なのです。ですから、どんなに熱が続いていてもCRPが0.1とか0.5くらいならウィルス感染と考えるし、一方3とか5、8とかだと細菌感染と考えます。

ウィルス感染なら、治療薬があるのはインフルエンザと水痘くらいです。水痘は水ぶくれがあり、みれば分かりますから、実質インフルエンザのみが特効薬があると言っていいのです。細菌感染なら、抗生剤が有効なので、抗生剤を処方することになります。

ただ、CRPが高すぎると、病気の勢いが強いことが分かるので、例えば10を超えたりすると病院に入院加療をお願いすることもあります。先日も14.3という極めて高い値だったので、何度も点滴に通わせるのも可哀想だし、病気の勢いが強いと細菌性髄膜炎などの発展してもらっても困るので、病院に紹介状を書き、入院して頂きました。

開業医にとって、患者さんを紹介する(手放す)ということは、その分の収入が減るという意味もあり、なかなか紹介しない医院さんもあります。ただ、時々書いているように、開業医ですべての患者さんの治療ができれば、入院施設のある病院なんていらないことになります。実際に、私が勤務医時代も入院患者さんの病気といえば、メインは重めの感染症でした。

さて、当院は患者さんへの教育ってとても大事だと思っています。赤ちゃんに湿疹があり、近くの皮膚科や小児科にいくと、大抵が診断名も告げられず、ステロイド軟膏を使わせてもらう旨の説明もなく処方されます。こういう状況があまりに繰り返されており、申し訳ないですが、患者さんには「診断名も説明がなく、薬が出されるのはおかしい」とハッキリ言っています。

アトピー性皮膚炎と診断されるのなら、「アトピーと言ってもらった方がマシ」とおっしゃる親御さんも多く、診断できないなら、専門医に紹介すべきなのです。こういう横の連携が全くないのが地元の特徴です。

患者さんの多い某皮膚科では、診断名も告げずに、薬も強いステロイドと保湿剤、抗生剤の軟膏が3種類混ぜて、処方されていました。赤ちゃんから大人まで湿疹があると、全く同じ配合で同じ塗り薬が処方されています。当院に移ってこられた患者さんの処方内容を聞くと、薬を聞いただけでどの皮膚科か分かるくらいです。

本来は、特に赤ちゃんの顔には強いステロイドは使いません。細菌感染を合併していれば抗生剤の軟膏を使いますが、感染がなくても抗生剤が配合されています。しかも皮膚症状が良くなっていなくても、同じ薬が延々と処方されています。適切に、しかも治したいという気持ちが強ければ、こういった対応はしないと思います。

多分、患者さんが多いため、医師の方も“効率化”を図っているのでしょうが、医師にメリットはあっても、患者さんへのメリットはほとんどありません。そもそも診断名をないまま、治療が進むのはおかしいと言えます。

こういう患者さんが来られると、上越のレベルアップのためにも、問題点を指摘せざるを得ないのです。当院の影響もあるのか、この先生が最近はアトピーと診断するようになり、薬が赤ちゃんへはマイルドなステロイドが処方されるようになりました。これはいい傾向だと思いますし、患者さんのとっても有り難い変化だと思います。

アレルギーではないですが、蓄膿症という病気があります。膿が溜まると書きますが、両目の下に副鼻腔という空洞があり、そこに膿が溜まるのです。診察では分かりづらいので、顔のレントゲンを撮ると、膿が写ることがあり、蓄膿症の診断には不可欠な検査だと思います。

これもある耳鼻科では、レントゲンを撮らずに蓄膿症と診断し、重症だから毎日のように吸引に通うように指示されていました。こういう方針なのはこの施設しかないと思います。

咳が長引くと耳鼻科に行くこともあるのでしょうが、患者さんの方で治らないと当院へ鞍替えされて来られるのです。ぜんそくが見逃されていることも多く、そもそもレントゲンを撮らずに蓄膿症と診断すること自体、無理があると思います。そこでも、最近は鼻のレントゲンを撮るようになりました。医学は根拠がないといけなく、“効率化”のためにレントゲンを省いていたのかもしれません。これも当院の指摘の影響かもしれず、地元の患者さんには、良い変化と言えると思います。

先日、某小児科で治療していたお子さんが熱が下がらないと当院を受診されました。熱の原因は、溶連菌と診断されたそうです。それはそれでいいのですが、抗生剤の点滴が行われていました。ここ最近は当院でも溶連菌が多く、ただ点滴はひとりも行っていません。何故なら内服でも1日で症状が改善するからです。これもいろんな理由で、この医院さんの方針なんだと思います。

何故か2日、3日と点滴が繰り返されていました。私なら抗生剤を使っても、熱が下がらなければ、おかしいと考えます。このケースだと溶連菌でない、もしくは溶連菌だけでないと判断します。ビックリしたのは、3日目に「デカドロン」という強力なステロイドが点滴の中に混ぜられていました。通常、新潟県の小児科医の99%は使わない治療だと思います。

患者さんは信じて疑わずに点滴に通院していたのですが、結局熱は下がらず、発熱5日目に当院へ移ってこられました。この患者さんは、ぜんそくがありましたが、前医でマイコプラズマと診断され、点滴を繰り返されており、おかしいと気づき、当院を既に受診されていたのですが、今回はお子さんをみる人がいないという理由で、そこに行っていたそうです。

これだけ熱が続けば、溶連菌でないのは明らかです。冒頭のCRPを調べさせて頂きましたが、何と0.1でした。これをどう考えるかと言えば、最初は高かったけれど、抗生剤の点滴により0.1まで低下したとも考えられるかもしれませんが、熱が下がっていないので、この考え方はやや無理があるかと思います。最初からウィルス感染だった可能性が高いと思っています。その場合、ウィルス感染に抗生剤は効果が全くありませんから、3日連続で行った抗生剤の点滴は不必要だったと思いますし、感染症には通常使わない「デカドロン」という強力で、副作用も起こり得るステロイド薬は、なおさら必要がなかったと考えます。

最初の状況を見ていませんが、重症とは思えません。何故なら、熱が5日目にして結構元気だからです。アデノウィルスが喉につくと熱が5日下がらないこともありますが、アデノウィルスは検査しましたが陰性でした。特定する努力はしたつもりですが、今回は分かりませんでしたが、何らかの熱が続くウィルスが悪さをしていたと考えています。

いずれにしてもCRPは0.1なので、患者さんへは「平たく言えば“風邪”であり、特効薬もないけれど、元気がいいので熱が下がるのを待っていいでしょう」と説明しました。

同じ小児科でもここまで対応が異なります。かかる医療費は当院の何倍もかかっています。当院は利益は考えていないので、ウィルスが原因と分かると、基本的には「待つしかない」と言っています。

以前も触れたことがありますが、RSウィルスは毎年冬に流行しますが、検査費用が医院の持ち出しになるため、疑っても調べない医院さんもあります。呼吸困難を来す頻度も高く、乳幼児がかかりやすく、入院する可能性は結構と高いため、調べるかどうかで各医院の考え方(良心的かどうか)が分かると繰り返し書きました。今シーズンから急に調べだした医院さんもあり、当院の“つぶやき”が地元の医療のレベルアップに一役買っているのだろうと思っています。

であれば、ウィルス感染に抗生剤の点滴を繰り返すのも、なくしたいと思いますし、「デカドロン」を使うのも考えて頂きたいと思っています。今年、RSウィルスで熱が10日間下がらなかったお子さんを経験しましたが、5日くらい下がらないこともよく見かけます。こういうお子さんにその都度、5日以上も抗生剤の点滴に通院させる医院さんもあり、繰り返しになりますがRSウィルスは“ウィルス”であり、特効薬がありませんので、かなり根拠に欠ける治療方針と言わざるを得ません。

患者さんが多いと、いつの間にか自らにとって、いろんな意味で有利な対応になってしまっている場合もあるのだと思います。それは往々にして「患者さんのため」から遠ざかるように感じています。

患者さんは素人ですから、言い方は悪いですが、医師のやり方でどうにでもなってしまいます。それでは困るのです。地元の子ども達を守るために、私が正しいと思う情報を発信していきたいと思っています。