小児科 すこやかアレルギークリニック

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ピーナッツでも
2011年04月05日 更新

春休みということもあり、連日のように「食物負荷試験」をやっています。

やはり、経験は大切です。まずアレルギー検査の値が高くても、食べても何ともない患者さんがいる、という経験をすると、検査のみで食べられる・食べられないの判断をするのがバカらしくなってきます。

どういった食材を、どのように食べさせていくかという経験も必要です。やったことのないと、皆目見当もつかないでしょう。

当院の場合は、卵、牛乳、小麦というように食物アレルギーの多い頻度順に負荷試験をやっています。あとは魚、大豆、魚卵、甲殻類、ナッツ類、ソバなども負荷しています。

ピーナッツやソバは、過去に食べて強いアレルギー症状を起こしたこともないのに、怖いから食べさせられないとおっしゃる親御さんが少なくありません。一般的に「食物負荷試験」は、アレルギー検査が陽性で、食べられるかどうか分からない時に行います。卵アレルギーなどで何らかの症状を起こしたりすると、ピーナッツやソバも怖いと考えてしまうのでしょう。親御さんの気持ちも分からなくはないので、検査が陰性であっても、負荷試験を希望されれば、やることもありました。

先日、1日に5件の負荷試験を行ったのですが、滅多にないことですが、ピーナッツの負荷が3人いました。アレルギー検査はそれぞれクラス3、2、1でした。やはり検査で反応が出ていると、検査する方も緊張します。

ただ、いくらアメリカでピーナッツによるアナフィラキシーショックでの死亡者がいるなど強烈な症状を起こし得るアレルゲンとは言え、乳児期に検査が陽性でも、成長とともに低下してくる場合は、食べられることがあることが知られています。アレルギー検査が陽性=食べられない訳ではないのです。

当初は私もピーナッツの負荷には慎重でした。医師が1人しかいない開業医が、万が一にも負荷試験で強烈な症状を起こしてしまったら…と思うと、ためらいは正直ありました。しかし、食物アレルギーの診療の大原則は「必要最小限の除去」です。それはピーナッツであっても、そうできるよう最大限の努力をすべきだろうと考えました。

私も場当たり的に負荷試験をやっている訳ではなく、もちろん勝算のある負荷を行っています。例えば、あらかじめピーナッツで皮膚テストをやっていると、それが目安になると考えています。私の印象では、皮膚テストでピーナッツが大きく腫れなければ、負荷試験も成功することが多いのです。

今回の3人の負荷試験の中で、普通に考えると、クラス3のお子さんが一番心配と考えるべきでしょうが、このお子さんは卵白も陽性なのに、卵は食べられることが分かっています。ということは、数値が高くても逆に「食べられるのではないか?」と考えることができます。それで少し気が楽になりました。

結局、少量からピーナッツを食べてもらい、最終的には3名ともピーナッツを規定の10個食べることができました。肩の荷がおりた気がします。

怖い怖いと思っていては、何も前には進みません。負荷試験をやって、食べられた時のお母さんの嬉しそうな顔が、私に例え危険なアレルゲンとされるピーナッツであっても、負荷試験に駆り立てさせているのだと思っています。

やはり、結局は食べて何ともなければ、誰も文句は出ないはずで、食べても何ともないことが、「食べてよい」根拠になっています。ピーナッツに関しても、小児科医は単純に「怖いから」という理由では除去するための充分な根拠にはなり得ず、「必要最小限」の除去を目指すべきであろうと思っています。

「ピーナッツくらい、食べなくても生きていけるでしょ」という医師もいるようですが、何でも興味を示し、食べたがるお子さんに対し、安易に言って欲しくないと思います。