小児科 すこやかアレルギークリニック

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乳製品の負荷の二人
2011年05月11日 更新

当院は、連日のように食物負荷試験を行っています。

少しでも食べさせてあげたいという気持ちがあれば、アレルギー検査の数値が高くても、「ちょっと食べさせてみよう」と思うはずだと思うのです。

以前、食物アレルギーで困っている親御さんがいろいろ調べた結果、食物負荷試験という方法があることを知り、かかりつけ医に「食物負荷試験という検査があるらしいですけど」と聞いてみたら「そんな危険な方法は、自分の子じゃないからできるんだ」と叱られたそうです。

昨日の話じゃないですが、根拠のない、真面目にやっている医師の足を引っ張るような発言は止めてもらいたいと思っています。アレルギー検査だけで食べられる・食べられないが分からないから、食物負荷試験という検査があるのであって、逆に自分のお子さんがアレルギー体質が強く、様々な食品に反応しているとしたら、米や野菜すら食べさせないつもりでしょうか?。

20年前はアレルギー専門医であっても、卵で症状が出れば、卵を含むものを一切除去し、鶏肉や卵つながりということで魚卵さえも除去していました。今は“20年前”ではないのです。ガイドラインをみれば、食物負荷試験をして食べられるものを探し、むやみにあれもダメ、これもダメとすべきでないと記載されています。

もし負荷試験で蕁麻疹などのアレルギー症状が誘発されてしまったとします。その症状がよほど重くない限りは、半年後や1年後に“リベンジ”しようと思います。

最近、リベンジ負荷を行ったお子さんがいました。二人ともミルクアレルギーなのですが、重症度が違っていました。

うち1人は、市内の小児科に通っていました。前医で検査の数値のみで、あれもダメ、これもダメと指導されており、アレルギー専門ということで、当院に救いを求めて通院して下さっています。当院で負荷試験の話を初めて聞き、医師の話がこうも異なるものかと驚いていました。

1年ほど前に牛乳200mlを使った負荷試験を行い、蕁麻疹が途中で増え始め、試験を中断せざるを得ませんでした。ちなみにミルクの値はクラス3程度で決して数値的には高くはないのです。クラス3程度なら牛乳を1本飲んでも何ともない子もいます。しかし、飲んで症状が出るので、除去して頂いていました。

私としては、1年経ち、早々に制限を解除したいと考えていました。少し飲ませてみると、口の周りに小さな蕁麻疹が出ます。様子をみると消失しますので、更に増量してみます。しかし、また蕁麻疹が出ます。

結局その繰り返しで、何だかんだ言って200mlは飲めました。けれど、蕁麻疹が出ているので、厳密には解除とはいかないでしょう。学会でいま話題の「経口減感作療法」の話を聞いても、牛乳だけは卵や小麦と違い、治りづらいと言われています。「牛乳は治りづらいのかな」という気もしますが、別の患者さんでは飲めることも経験していますので、これに懲りずにまた再リベンジ負荷をやりたいと思っています。

もう1人のお子さんは、ちょっと重症です。同じように牛乳を飲ませたら、まずアナフィラキシーに至ってしまうでしょう。それは分かっているので、乳成分を少量含む加工品を使って食材を広げる負荷試験を行っていました。

卵も同様ですが、牛乳も加熱するとアレルギーの起こしやすさは減少します。ミルククッキーを使いましたが、前回はかなり微量にしか含まれないこんなものでもアレルギー症状が誘発されてしまったのです。1年弱経って、リベンジを図ろうと思いました。

先ほども言いましたが、ミルクアレルギーがなかなか治らないお子さんもいます。小学校に上がっても、そういうお子さんもいるのです。重症だと、尚更です。お母さんにはリベンジを図って、返り討ちに遭うかもしれないけれど、挑戦しましょうと言っていました。

私自身も、アレルギー症状を起こさせようとして負荷試験をしている訳ではないので、慎重に進めていきます。今回は、ミルククッキーを規定量食べ切りました。私は“その瞬間”が好きです。食べ切ったときの、親御さんの安堵した顔を見るのが好きなのです。

ミルクアレルギーの場合、目標は牛乳200mlを飲み切ることです。それからすると、数百分の一の量でしかないかもしれません。ただ、このお子さんにとっては大きな一歩であるのは間違いありません。

同じミルクアレルギーであっても、年齢や摂取できる量、誘発される症状など大きく異なります。その子に合った治療の進め方を考えながら、行っていく必要があることがご理解頂けると思っています。