お子さんが病気にかかると、小児科を受診することが多いと思います。
ただ、特に地方などは小児科医がいないため、内科の先生で小児科も標榜している「内科・小児科」をかかりつけとしていることもあると思います。
気を付けておかなければならないこともあります。「内科・小児科」にかかっている時に、症状が改善しないこともあるでしょう。その時は小児科医を頼って頂きたいということです。
医者に診せておけば大丈夫と言う時代は終わりました。医学も細分化されてきています。子どもの病気は、小児科医が専門であり、「内科・小児科」の先生は、分かりやすく言ってしまえば、小児科にもそれなりに心得があるという意味合いでしょう。既に「内科」という専門分野をお持ちなのです。
子どもは大人を小さくしたものではありませんので、「小児科」はそれなりに診ることができる、と捉えておいた方がいいと思います。もし、「内科・小児科」の先生が、子どものことも専門的に診ることができたら、我々小児科医は必要なくなってしまいます。
子どものスペシャリストという位置づけです。本来比べるものではないでしょうが、「内科・小児科」で手に負えない病気を診るが小児科医の役割だと言えるでしょう。
しかし、普段から言っているように、医師の間には親御さん達が思っている以上に、知識や技術の差があります。以前も書きましたが、プロ野球選手の世界でも、誰でも知っているようなスーパースター的な選手もいれば、目立った活躍もないまま、ひっそりと引退していく選手もいます。雲泥の差があると言わざるを得ません。となると、ダメな小児科医がいたり、小児科顔負けの「内科・小児科」の先生がいてもおかしくないと思います。
私もアレルギーにこだわっていても、小児科医を足掛け20年やっていますので、子ども達の健康を祈り、より専門的に、そして真面目に取り組んでいるつもりです。
先日、園の健康診断で園医の先生から「ぜんそく性気管支炎」という診断書を持った幼児が当院を受診されました。
園医の先生は、理想的には小児科医がなるのが望ましいのですが、小児科専門医は少ないため、「内科・小児科」の先生がなっているケースは多いと思います。内科の先生のご協力なしには、小児を取り巻く医療は行えないのは事実であり、連携が大事だと思っています。
先のぜんそく性気管支炎の診断は、ご他聞に漏れず「内科・小児科」の本業が内科の先生によるものでした。多分、園の健診の時に聴診器でゼーゼーという音が聞こえたのだと思います。それで小児科専門医によく診てもらって下さいということで、診断書を持ってこられたのです。
話を聞いて、ビックリしました。ここ3週間もゼーゼーが止まらずに、既にある子どもの医院さんに通っていたのです。立派な小児科専門医とされる医院さんです。そこでの診断は“風邪”だったそうです。
世も末だと思いました。「内科・小児科」の先生に診断できて、小児科専門医が診断できないのです。もちろん、“風邪”という診断でしたので、風邪薬が処方されており、診断が間違っていますから、薬を飲んでも良くなるはずがありません。
今回の患者さんに限らず、某小児科に行って治療しても良くならないと、当院に来られる患者さんは多いのです。熱がなくゼーゼー言っているケースは“風邪”、熱があってゼーゼー言っているケースは“マイコプラズマ”と診断しているようです。ちなみに、マイコプラズマにかかったからと言って、普通はゼーゼーしません。ぜんそくは感染症ではありませんが、とにかくぜんそくの症状を感染症にしたいような作為を感じています。
あまりにもこういう患者さんが多く、敢えて言いますが、上越の特にアレルギーの医療レベルは低いと言わざるを得ません。親御さんは、ご自分の子どもを守るために、どの小児科が何が得意で、どういうレベルの医療をしているのか知る必要があります。
RSウィルスという怖い感染症があります。乳幼児がかかると呼吸困難を起こしやすいこのウィルスのことを小さな子を持つ親御さんは知っておくべきですが、上越では知っている方が非常に少ないのです。私は検査費を患者さんに請求できないからと言って、強く疑える状態でも調べないのはおかしいと指摘してきました。繰り返し指摘することで、今シーズンからようやくRSウィスルを調べ始めた医院さんもあります。
実は、RSウィルスにかかると気管が弱くなり、ゼーゼーを繰り返すようになるお子さんが多いのです。ぜんそくに発展してしまうこともあり、過去にRSウィルスにかかったことが分かれば、診断はしやすくなります。ですからRSウィルスを調べる医院が増えることは、地元のアレルギー医療のレベルアップにも一役買えるとも思っています。
“風邪”や“マイコプラズマ”単独でゼーゼーすることは、まずありません。もし、そう診断されているなら、医者を替える必要があると思います。医師は的確に診断し、適切に治療して、速やかにお子さんの症状を取り去るべきでしょう。今回の「ぜんそく性気管支炎」についても指摘を繰り返せば、的確に診断してくれるようになると期待しています。


