小児科 すこやかアレルギークリニック

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入退院を繰り返す場合
2011年05月18日 更新

最近、汗ばむ程の気候となり、ただし朝晩は気温が下がるため、寒暖の差が気になります。それと同時にぜんそくの調子の悪いお子さんも目立ちます。

アトピー性皮膚炎も、冬場は乾燥するせいもあり、他院で治療しても良くならない患者さんが集中したりします。気候の影響で症状が悪化したりするのは、アレルギーの特徴のひとつと言えるのだと思っています。

最近、ぜんそく発作で入退院を繰り返す患者さんが、より症状を改善させたいと相談に来られることがあります。

ぜんそくは夜間に発作を起こすことが多く、重い発作を起こした場合は、低酸素となります。こうなると酸素投与が不可欠なり、入院加療が避けられません。

ちなみに、上越には、ほとんどの小児科医が外来治療が困難と判断し、病院に紹介するような重い発作の患者さんでも、朝と夕方の1日2回点滴に通わせ、それを1週間も続ける開業医があるようです。昨日の話ではないですが、悪質と言わざるを得ないような“治療”を根絶するために、そんな治療はないことを指摘を続けていかなければなりません。

私の場合は、市内でアレルギーの講演を依頼されることが多いので、ガイドラインが推奨する治療を広めることで、独りよがりの“治療”をなくす機会を与えられていると思っています。

重い発作を起こして受診された場合、もちろん入院しないに越したことはないでしょうから、外来で対応しようと努力します。福岡の研修先で、重症のぜんそく患者さんの治療を学んできましたので、外来治療で可能かどうかは判断できるつもりです。

入院が必要なお子さんを、外来で引っ張ると、呼吸困難を強いてしまいます。重い発作の時は、入院加療を勧め、一旦調子を取り戻してから、その次は発作入院を避けるよう、予防治療を組み立てるのが重要だと思っています。

当院は、いわゆる開業医なので、夜の診療はしておりません。入退院を繰り返すぜんそく患者さんを開業医で診療するのは適していないと言えます。ただし、私の知恵が役立つこともあると思っています。

先日、相談に来られた患者さんは、過去に10回以上入退院を繰り返していました。

またまた話が逸れてしまいますが、私が勤務医時代にあった話です。ある病院からぜんそく発作で23回入退院を繰り返していた患者さんが紹介されてきましたが、少なくとも私の診た時点では、この患者さんはぜんそくではなく、別の病態でした。こんなこともあるのです。

ただし、今回の患者さんは重めのぜんそくと診断できる状況でした。私の感覚からすると、若干治療の上げ方が遅めという印象もありますが、キプレス、フルタイド、アドエアというように治療が強化されていました。

今の治療は、悪くありません。気管支の炎症を抑える効果のある「フルタイド」と、気管支拡張効果のある「セレベント」を一緒にした「アドエア」は、大人のぜんそく治療の定番になっています(似た組成のシムビコートが使われることもあります)。私が治療しても同じような薬になると思います。

ただ、考えなければならないのは、それだけいい治療が行っていながら、入退院を繰り返していることです。ここで考えることと言えば、「キチンと連用しているのか」ということです。中には、治療をさぼっているお子さんもいます。今回のケースは、小学校低学年のため、親御さんが吸入を手伝っていたので、それはないでしょう。

次に考えるべきは「キチンと吸えているか」です。吸入ステロイドは、霧タイプと粉タイプがあります。「粉」だと上手に吸わないと、効果が期待できません。中には、キチンと吸えているかを確認していない医師もおりますが、治療して効果を期待を感じられなければ、「おかしい」と感じることが大切なのです。今回は、「霧」タイプに切り替えてみることにしました。

実は霧タイプも2種類あり、スプレーのタイプと吸入器で時間をかけて吸うタイプがあります。スプレータイプがイマイチなら、吸入器を使用する吸入ステロイドも考慮に入れようと思っています。

医師の中には、重症ぜんそくにはアドエアを処方すればそれでいいと思っている人もいて、それでも症状が改善しなくても「これ以上強い薬がないので、仕方ない」と説明されているケースもあるでしょうが、「仕方ない」とすぐに諦めるのではなく、今回述べたようなことを考える必要があります。

私の経験では、吸入ステロイドが処方されていても、症状が改善しない理由がステロイドの量が不足していたこともありました。重症なぜんそくのお子さんは、開業医でなく病院で診てもらうのがいいのですが、私の知識や技術が有効であるケースもありそうです。

入退院を繰り返す場合は、極めて重症な場合を除いては、治療不足である可能性が高いと思っています。セカンドオピニオンの意味合いも兼ねて、相談頂ければ、キチンと対応させて頂きたいと思っています。