小児科 すこやかアレルギークリニック

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内科→耳鼻科→小児科
2011年06月08日 更新

先週末は、アレルギーの学会に参加して勉強をしてきました。

学会は、数少ない日本の第一人者の先生から話を伺える絶好の機会です。開業医になると、学会に参加しない医師もいますが、新しい知識をどうやって手に入れているのか心配になります。開業した理由が医師により様々ですので、学会に行くかどうかは個人の自由なのですが、ただ気付いていない患者さんも多いので、敢えて言わせて頂きますが、本当なら、いつも言っているぜんそくを“風邪”、“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”などと診断している医師こそ、休診にして学会に参加して欲しいと思っています。

土曜に休診してしまったため、当院を受診できなかった患者さんも少なくなかったようで、申し訳ありませんでした。

その中に熱が出たお子さんが、当院が休診だったため、近くの内科・小児科を受診されたそうです。診察した際に、扁桃腺に膿が付いているのに気付き、アデノウィルス疑いとのことでした。小児科なのにアデノウィルスを調べていない医院さんもありますので、小児科医以上のレベルで診療している内科の先生もいるのだと思いました。

ただ、アデノウィルスはインフルエンザや溶連菌のように開業医でも即座に調べることができますが、そこでは調べられないようで、アデノウィルスとは確定できていませんでした。細菌感染による扁桃炎の可能性もあったため、抗生剤の内服も出たそうです。

しかし、週が明けても熱は下がりませんでした。耳の辺りも痛がったため、月曜に耳鼻科を受診されたそうです。やはりのどに膿が付いていたため、アデノウィルスの他に溶連菌も検査してみたのだそうです。当院は、アレルギーに限らず、可能な限りキチンと診断しようと考えています。正しい診断をつけ、適切な治療をするためです。当院でもアデノウィルスや溶連菌は検査しており、溶連菌はかなりの頻度で、アデノウィルスはたまにですが見られています。どちらの可能性も考えられます。

検査は、両方とも陰性でした。中耳炎でもなかったようです。耳鼻科ではそれ以上は調べず、様子を見ようということになったそうです。

結局、熱が下がらず、翌日に当院を受診されました。3番目の病院として、ご指名だった訳です。後にみた医者の方がヒントは多いと言われています。その後の経過や他院での検査結果をみて総合的に判断できるからです。しかし、逆にその期待に応えなければならず、プレッシャーがかかることもあります(笑)。

こういう時は冷静にひとつひとつを分析して、考える必要があります。

まず、溶連菌は抗生剤がよく効く病気で、週末に内科・小児科で出された抗生剤は飲んでいました。抗生剤を飲んでいたために、溶連菌が検出されなかった可能性もありますが、解熱もしているはずです。状況から溶連菌ではなかった可能性は高いのです。

迅速診断の検査法が、100%確実という訳ではありません。インフルエンザの検査キットのことを考えれば、それを理解できると思います。検査のタイミングが早過ぎると、多くは陰性という結果になってしまいます。

疑いだすときりがないし、検査キットの信頼性はそれなりにかなり高いので、溶連菌とアデノウィルスは違うと考えるとします。あとよくみかける病気として、扁桃腺に菌がついて高熱がなかなか下がらない、いわゆる扁桃炎も考えなければなりません。この時は血液検査で炎症反応を調べると、高い値を示すことが多いのです。

高熱が3日ほど続いていたので、採血をして炎症反応を見る必要もあると考えました。その結果は、“正常範囲内”でした。高熱が続いているのに正常範囲内とはおかしな話ですが、子どもの感染症の原因は大きく二つに分けられ、ウィルス感染と細菌感染になります。ウィルスの場合は、炎症反応に変化がないことが多く、細菌の場合はかなりの高値になることが多いのです。つまり、採血結果から、先程述べた、いわゆる扁桃炎も違う可能性が高まりました。

これまでの考察の結果から、別の病気を考えるべきと思います。具体的には、EBウィルス感染が原因ではないかと考えています。アデノウィルスや溶連菌よりも頻度は少ないですが、外来では時折みつける病気です。

診断の確定は、EBウィルスの抗体を調べるほか方法はありません。診断が確定したところで、EBウィルスの特効薬はないので、治療には結びつかないのですが、2件の医院さんを渡り歩いて、診断が特定されず、熱も下がっていません。EBウィルスは4~5日解熱しないこともあり、通常はきれいさっぱり治ってしまう病気なので、診断を確定させる意味は充分あります。

よくのどに膿が付いていると抗生剤の点滴をする医師もいますが、それだけでは何の根拠もありません。今回の場合は、まだ原因は特定していませんが、確実なのはウィルスが原因ということであり、抗生剤の点滴の適応ではありません。マイコプラズマでないのに、マイコと言って点滴に通わせる医院さんも見かけますが、子どもの健康を取り戻そうと必死になっている親御さんの期待に応えるため、小児科医たる者、理にかなった治療をすべきでしょう。

当院は、2番目、3番目に受診されることも多く、今回は内科→耳鼻科→当院でしたが、小児科A→小児科B→当院だったり、皮膚科A→皮膚科B→当院、耳鼻科→当院など、こういったパターンが多いのです。

アレルギー以外でも真面目に診療しているつもりですので、もうちょっと早めに当院を受診して頂けるよう、努力をしないといけないと思っています。