普段からいろいろ書いているように、アレルギーには誤解が多く、小児科医であっても正しく理解していない場合がとても多く、何とかせねばと思っています。
来週に迫った、市内の小学校での食物アレルギーの講演会の準備を始めました。学校関係者のほかに父兄の方もいらっしゃるそうです。
まず強調しようと思っているのは、今の医学は「エビデンス ベイスト メディスン」だということです。頭文字をとってEBMと略されますが、EBMに沿った医療は正しく、EBMに沿わない医療はダメなものであることを理解して頂こうと思っています。
有名だから、テレビに出ているからEBMに沿った医療をやっているかと言えば、全然そんなことはありません。ビックリするくらいのレベルの医療をやっている医院さんも存在します。有名、無名ではなく、その医師の信念により、変わってくることだと思います。
EBMに沿った医療とは何かと言われれば、それが私のよく言う「ガイドライン」に従って診療すればいいだけで、何も難しいものではないと思います。
いや、医師によっては難しいかもしれません。それは、今までそういう医療に慣れていなければ、180度違った方針転換を求められるかもしれないからです。そういう意味では、若い先生の方が柔軟性があるため、方向転換はしやすいのだろうと思います。
私は、他院にかかっていて「このまま除去を続けていいのか?」と前医の指導に疑問を感じ、当院を受診された患者さんには食物アレルギーの「ガイドライン」を示しています。
その前にアレルギー検査のクラス2だと85%、クラス3だと60%の患者さんがゆで卵を食べられるというデータをお見せして、これだけの確率で食べられると説明しています。これはあくまでゆで卵でのデータであり、卵の加工品ならもっと食べられる確率は上がるのは明らかです。
結局、アレルギー検査はこんなにも食べられる、食べられないの指標にはならないことが分かると、拠り所は「ガイドライン」ということになります。
その「ガイドライン」には「食物負荷試験」をやるよう書いてあります。確かに新潟県には負荷試験をやっている医師が極めて少ないですが、やっていないからそれが“正しい”かと言われれば、そうではないですよね?。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」みたいなものです。
先日も、学会に行ってきましたが、患者さんに正しい医療を行いたいという信念を持った小児科医が大勢参加していました。新潟県では「食物負荷試験」をやっている小児科医は私も含め、数える程しかいませんが、学会に参加されていて、昨年末に開業されたアレルギー専門医の先生と初めて話をさせて頂きましたが、その先生も「食物負荷試験」をやられていました。学会に参加している小児科医の間では、「食物負荷試験」は常識になってきているのです。
つまり、学会に参加していない小児科医と参加している小児科医の間には、これだけ“常識”のズレがあり、それは患者さんにとっては全く分からないことです。全ての患者さんはEBMに沿った医療を受ける権利がありますが、このズレが大きな差を生んでいるのです。
上越の地で、食物アレルギーで悩んでいる患者さん達にそれを知って頂く努力から始めなければならないと思っています。来週は、そのチャンスを頂いたと思いますので、いい医療、ダメな医療について熱く語ってこようと思っています。


