小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

魚がクラス3以上
2011年06月10日 更新

小児科医は、未来を担う子ども達のためにベストを尽くすべきでしょう。

もちろん、日頃から一生懸命診療している先生も多いと思いますが、食物アレルギーとなると根拠のないことをやっている医師が少なくないのが現状です。

根拠のあることと言えば「食物負荷試験」をやるしか方法はないのですが、ほとんどの小児科医がそれを知っておきながら、患者さんに「食物負荷試験」の話をしないのはフェアではないと思うのです。医院さんによっては、エビデンスより経営を重視しているとしか思えないところもあり、患者を紹介するという選択肢は期待できないようです。

となると、当院のやるべきことは患者さんの間に「食物負荷試験」を広めること。当院のお膝元の上越には、広く知れ渡るようにしなければ、患者さんを救うことはできないと思っています。

日々、「食物負荷試験」をやっていると、負荷食品は頻度の高い順になります。つまり、卵、牛乳、小麦…となります。中には、魚や魚卵、甲殻類、ナッツ類、ソバ、果物などでアレルギー症状を起こすお子さんもいます。卵、牛乳、小麦は生長とともに治りやすいアレルゲンですが、先に挙げた魚、エビ、ナッツ類、ソバなどは成人に頻度が多く、いわゆる治りづらいアレルゲンといえます。

ただ、みんなが食べられないかと言えば、例外もいます。例えば、アメリカではビーナッツが原因でアナフィラキシーショックを起こし、死亡例が年間50人くらいいると言われています。ピーナッツアレルギーが治らないかと言えば、特に乳児期にアレルギー検査が高く、成長とともに検査値が下がるタイプは治ってしまうこともあると言われています。

新潟県内では数少ない「食物負荷試験」をやっていますと言っているので、中には治りづらいアレルゲンでも、負荷試験を希望される親御さんもいらっしゃいます。「うちは卵と牛乳しか負荷していません」なんて言う訳にもいかず、そもそも無駄に除去するのを避けるために負荷試験をやっていますので、さまざまなアレルゲンであっても負荷試験は引き受けています。

私のよく言うガイドラインを基本にしていますので、アナフィラキシーを起こす可能性が高いケースに関しては、行っていません。食べられる可能性が高いものを選んでいます。

となると、ピーナッツやソバでも時々負荷を行っており、アレルギー検査が低い値であれば食べられる可能性が充分あると認識しています。そんな中、魚の負荷試験も行うこともあります。

アレルギー検査は当てにならないと言いつつも、魚に関しては結構当てになるとされ、具体的には、クラス3を超えると症状が誘発されやすいと言われています。

先日、ある患者さんに魚の負荷試験を行うことになりました。サケを食べると症状が出ることがあるそうです。アレルギー検査は先日の検査でクラス4が3に下がっていましたが、まだ“クラス3以上”です。

つい先日も、アカウオを食べると症状が出るという患者さんに、アカウオの負荷を行いました。アカウオはアレルギー検査の項目がないため、負荷するしかありません。結果は蕁麻疹が出てしまい、途中で中止せざるを得ませんでした。「魚は難しいな」と思った瞬間でした。

今回の患者さんには、焼いたサケを持参して頂きました。クラス3でもあり、厳しいかと思いつつ、ごく少量から負荷試験を開始しました。予想外と言えるのかもしれませんが、結局完食となりました。

当院では、魚の負荷の頻度は多くないですが、無事に「任務完了」したと思っています。文献的に「クラス3以上は症状が出る」と決めつけていたら、今回は負荷試験を行わなかったはずで、サケは解除できそうです。

治りにくいとされるアレルゲンであっても、無駄に除去することのないよう、エビデンスのある医療を続けていかなければならないと思っています。