平成16年に放映されたNHKの大河ドラマ「新撰組」を見終わりました。
最近は、テレビの放映を見逃してもDVDとして発売されることもあり、それをブックオフで買えば、好きな時に一気に見ることができます。全49話を夜な夜な見てしまいました(汗)。
新撰組というと、人斬り集団というイメージがありますが、彼らには徳川将軍を守るという大義がありました。新撰組局長の近藤勇は「武士より武士らしくなってみせる」と若い頃から言い続けており、それを最後まで守り通しました。
私も不勉強でよく分かっていなかったのですが、最後は新政府軍に捕まり、処刑されます。35年の人生を濃密に生きた人なのだろうと思っています。
筋を通し切った人生に、最期は武士らしく切腹で終わらせてあげたかったと思いますが、「武士道」を貫いたと言えると思っています。男としての生き様を見せつけられた気がしました。
ただ、ドラマはやや脚色されているところもあるため、新撰組をできるだけ客観的に見るため、知るために新撰組の本を買ってきて、読み始めました。医学もエビデンスといって、根拠を大事にしています。ドラマは主人公をよりヒーローにしてしまうところもあるため、過大評価、場合によっては過小評価してしまうのは公平ではないと思ったからです。
ふと、自分の生き方を考えてみたりします。医療も信念を持って行なうべきものだと思っています。
家族を養うために、職業として医師をやっています。でも、営利目的かといえば、そうは言いたくありません。患者さんのために真面目に診療して、収入がそれについてくれば、筋を通す生き方と家族を養うことの両立ができるのだと思っています。
真面目に診療するとは、的確に診断し、適切に治療することです。ぜんそくやアトピー性皮膚炎が正しく診断されていないことが繰り返されており、食物アレルギーもアレルギー検査だけで判断され、往々にしてそれは過剰な除去を産んでいます。
私がアレルギー専門医だからなのかもしれませんが、巷では、結構な“誤診”があることに気付いています。多くの医師がアレルギー専門医ではないので、仕方ない部分もあるのでしょうが、その結果として「患者さんは信じて通っているのに、一向に症状が良くならない」ということが頻繁に繰り返されています。
全ての患者さんがアレルギー専門医にかかっている訳ではなく、医師も自分の診断が正しくないことに気付いていません。これは患者さんにとっては、ものすごく不幸なことです。私がアレルギーで困っている患者さんに筋を通すためには、医師の間の知識や技術の差が小さくないという“事実”を知ってもらうことも、私の仕事のひとつだと思っています。
先日、ある小児科でマイコプラズマと繰り返し診断され、点滴や内服を繰り返されていた患者さんが当院を初めて受診されました。親御さんはマイコプラズマという診断を信じておりましたが、どう考えてもぜんそくの症状なのです。マイコプラズマだけではゼーゼーしないのに、他の患者さんも含めて、ゼーゼー言えば「マイコプラズマです」と診断され、その多くに点滴が行なわれているようです。
医学は根拠が大切だと言っていますが、マイコプラズマの治療をして症状が改善しないのは、診断が正しくない“根拠”と言えるのではないでしょうか?。その患者さんに採血をさせて頂き、マイコプラズマの抗体を調べさせて頂きました。結果は、陰性。これで前医のマイコプラズマの診断は正しくないことが証明された訳です。実は、当院では、こんなことは何度も経験しています。
最近は、気候の影響でぜんそくの調子の悪い患者さんが見受けられます。そのため、咳が長引き、小児科に通っても良くならないという患者さんが毎日のように当院を受診され、その多くがマイコプラズマと診断されています。先日、休日夜間診療所に仕事に行きましたが、やはり何人かの方が小児科でマイコプラズマと診断されていました。
マイコプラズマの診断は、適切に診断している医療機関もありますが、結構と誤診が多いのだと思っています。よく「園にマイコプラズマの子がいる」と言われますが、そういう経験をしているため、私は市内の感染症情報はあまり信用していません。
この件に関しては、ぜんそくがあると判断し、マイコプラズマの治療を中止し、ぜんそくの治療に切り替えると、速やかに咳が消失します。これもマイコプラズマの診断が間違っていることの根拠と言えるのだと思っています。
つまり、速やかにぜんそくの治療が行なわれれば症状が改善するのに、マイコプラズマと診断されることで症状が長引き、必要のない治療が行なわれてしまっている可能性が高いと言えるでしょう。アレルギーだけでなく、マイコプラズマに関しても小児科医の知識や技術の差が大きいことも、地元の方に知って頂く必要があると思っています。それも私の役目だと考えます。
今の医療制度の最大のおかしな点は、適切でない治療を繰り返しても医院に収入は入ってしまうことでしょう。間違っていても、同業者がそれを指摘してくれることもまずありません。改めるべきなのに、改める機会はまず期待できないとも言えます。私も間違うことはありますが、間違い続けるのは医師としては問題があります。
新撰組を見た直後という影響も大きいとは思いますが、小児科医として男として、医療の筋を通す努力をしていきたいと思っています。


