少し前までインフルエンザをはじめとした様々な感染症がありましたが、それに比べればだいぶ減ってきました。
最近目立つのは、発熱の患者さんです。夏は夏風邪が流行ります。ニュースなどでは手足口病が大流行していると言っていますが、当院では今シーズンはあまり経験していません…。
先日の小児皮膚科学会でも、手足口病が流行っているという情報があり、水ぶくれが文字通り手と足と口に出るのですが、その出方が膝などにも派手めに出る傾向にあると言っていました。調べてみると、現在の流行は西日本に多いようで、新潟もこれから増えてくるのかもしれません。
夏風邪の代表格として、手足口病の他に、ヘルパンギーナがあります。これは、手足口病になぞらえて言えば“口病”になります。つまり、口の中にブツができる病気です。いずれも口に所見がありますので、のどを丁寧に診る必要があります。
ここ最近、結構発熱の患者さんが多いのです。「夏」、「発熱」とくれば、手足口病、ヘルパンギーナといった夏風邪を考えます。先程述べたように、のどにブツができるという特徴があるのですが、それが見当たらないのです。のど(咽頭)の奥の壁が赤くなっているくらいで、咽頭炎と判断されます。
夏に流行っているので、いわゆる“夏風邪”と言っていいと思いますが、この夏風邪、熱が下がらないことがあります。
当院は、ビジネスとして医療をやっているつもりはないため、不必要と思われる検査はしないようにしています。いつも言っているように、今の保険診療では、余計に検査や点滴をすれば、医院は儲かるということになります。
4年前の開院時からこの方針は貫いていますが、検査や点滴が少ないと“不安視”されたものですが、良心的にやっているのに不安視されるのは“筋違い”だと思っていました。逆に、「何でも検査、点滴、抗生剤」という周囲の風潮を打破してやろうと心に決めました(笑)。
今回の“夏風邪”は熱が続くので、続く場合はお子さんには可哀想ですが、採血をさせて頂いています。「CRP」という炎症反応を調べるのですが、それが低ければウィルス、高ければ細菌が原因であることが多いのです。
結果は、発熱者の多くはCRPが低いのです。つまり、ウィルスが原因と考えられます。ちなみに、病院や開業医で迅速に調べられるウィルスは、インフルエンザ、RS、ロタ、アデノウィルスくらいでしょうか。夏風邪は、コクサッキー、エンテロ、エコーウィルスなどの聞き慣れないウィルスが原因で、それを簡単に調べる方法はないのです。
いずれにしても、ウィルスが原因なら、抗生剤は効かないので、処方はしないことになります。結局、本人の免疫で治すことになります。ところが、なかなか熱が下がってくれません。
38度前半くらいの熱なら1日で下がる場合もありますが、39度くらい出るタイプは2~3日続くようです。その中に稀に1週間下がらないお子さんも混じります。この差は、ウィルスの違いかどうか分かりません。
1週間も熱が下がらないお子さんを当院だけで何人も経験しており、こういう経験は1年間診療していても、そうあることではありません。それだけ熱が下がらないと親御さんも心配になりますが、どの子もピンピンしているのが不幸中の幸いといったところでしょうか。熱も1日中出ているというよりは、夜だけポッと出ることも多いようです。
子どもは集団生活もしており、体も弱いため、感染症にはかかりやすいという特徴があります。流行があれば、熱を出してしまうのは致し方ないと思います。大事なのは、医師が冷静に、客観的に診ることだと思っています。
熱が出て医者にお子さんを連れていくと、「風邪だね。抗生剤を出しておきます。」なんて言われることは日常茶飯事でしょうが、目の前の子の熱の原因は何なのか?、原因が特定しづらい場合は、原因がウィルスなのか、細菌なのか?、ウィルスと判断されれば、医療費を増大させないためにも、不必要な薬の処方を極力避けることが大切だと思っています。


