今は夏真っ盛りという感じですが、夏が終われば秋になります。
秋には気がかりなことがあります。
当院はアレルギーを主に診ていますので、秋になるとぜんそくが心配です。昨年も猛暑でしたが、8月末にはぜんそくの調子を崩したお子さんが少し出てきて、9月には明らかに増えました。猛暑の反動で、寒暖の差が大きくなれば、発作を起こす子も多いかもしれません。
もうひとつは、インフルエンザのワクチンのことです。
今年、ひとつ動きがありそうです。小児の接種量が増えそうなのです。昨年までは、1歳未満は0.1ml、1~6歳未満は0.2ml、6~13歳未満は0.3ml、13歳以上は0.5mlでしたが、今年は生後6ヶ月から3歳未満が0.25ml、3歳以上が0.5mlをそれぞれ2回打つことになりそうです。
この量になると、1歳未満は2.5倍、3歳から5歳までは2倍になることになります。しかも3歳以上は、大人の2倍打つことになります(成人は0.5mlを1回)。そんなに増やして大丈夫?という声が聞こえてきそうですが、実はこれが世界保健機関(WHO)が推奨する接種量なのです。
実は、国内でも小児に増量したワクチンを使ってみて予防効果が増したという報告があります。私としても、例年ワクチンは打ったのだけれど、ご丁寧にA型もB型もかかってしまったというケースを経験しますが、せっかくお子さんが痛い思いをして、しかもお金をかける訳ですから、効果が高ければ望ましいことだと思います。
今年は東日本大震災がありました。東北にワクチン製造工場を持つメーカーもあるようで、例年並みには作れないところもあるようですが、影響のないところもあるため、国の試算では供給不足にはならないと考えているようです。
ただ、不安は小児の摂取量が増量されることは勘案されていないというのです。これってどう思います?。業者の話では、小児科の必要量は当然増しますが、例年の2倍弱くらいは必要と聞いています。
日本は高齢化社会で、例年インフルエンザで亡くなる高齢者も少なくないと聞いており、成人の需要が多いものと思います。日本の需要のうちの小児の占める分がどれくらいは分かりませんが、各小児科が多い量を欲するとなると、一昨年のように、インフルエンザのワクチンを我が子に打たせたくても打てないという状況になるのはないでしょうか?。
一昨年は、国がワクチンを管理していたため、基礎疾患がある患者さんを優先するなんてことがありましたよね。当院もニーズが多かったのですが、注文しても少ない量しか配分されず、接種してあげたくてもできないという状況が続いてしまい、かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けしました。
当時、テレビである小児科の接種風景が流れていましたが、診察もせず、カルテで過去の受診の状況も確認せずにひたすら打っており、半日で300人接種したとか言っていました。正直、こんなにおかしな接種があるのかと思いました。予防接種は、診察し、過去のアレルギー歴も含めたことを確認した上で、かかりつけの患者さんに接種するものです。放送事故と言ってもいいのではないかと感じました。メディアもこうやって、患者さんの不安に拍車をかけてしまったのではないかと思っています。
こんなこともあったので、もうワクチン不足による“争奪戦”のようなことは懲り懲りです。今シーズンの接種量が増えるのはほぼ決まりのようです。供給量が充分なのかどうか、心配しています。
結局、しわ寄せというか影響は現場である病院、診療所で起こります。私も真面目に診療に取り組んでいるつもりですが、ワクチンが足りる、足りないというレベルのことで頭を悩ませたくはないのです。国の的確な対応に期待したいと思っています。


