先日、園で出された米粉パンを食べてアナフィラキシーを起こし、入院してしまったお子さんの話をしました。幸い、適切な処置で一日の入院で退院できたようです。
少し離れていますが、ぜんそくと食物アレルギーで当院で診ていたお子さんでした。起きてしまったことは仕方ありませんが、主治医として再発を防ぐためには、私の努力も必要ですが、園側の協力ももちろん必要でしょう。
これを機会に、是非とも食物アレルギーに理解を持ち、二度とこんなことがないようにしたいと思い、お母さんを通して園との話し合いを申し出ました。ところが、園側の反応がイマイチで、きっと動揺されていたのでしょうが、お母さんの印象では、話し合いに乗り気でないという話でした。前回はここまで触れていたと思います。
患者さんが微量の乳成分で重いアナフィラキシーを起こしてしまったので、どうやったら園を動かすことができるのだろうと思っていました。先日、お母さんから連絡を頂き、話し合いの時間調整をしたいということでした。私もホッとしているところです。
神奈川県は、食物アレルギーの専門医が多く、恵まれている県だと思います。エピペンンを持っている患者さんのいる学校では、専門医が学校に出向いてエピペンの使い方を含めて指導するということが行なわれているようです。素晴らしいシステムだと思います。
ふと新潟県を顧みると、夢のまた夢という感じです。私のような開業医がどこまでできるのか分かりませんが、診療で忙しいことを理由に、そういった患者や園•学校に啓発的なことをしなければ、地域のレベルアップは望めません。真面目に取り組んでいれば、その輪が広がっていくこともあるかもしれません。
夏は感染症も少なく、季節労働者である小児科医は結構ヒマなはずですが、診療自体も終了の18時半に終わることも少なく、講演や「すこやか健康フェア」の準備、昨日お話しした気道過敏性試験などなどいろいろあります。そうなると身を削るしかなく、何とか8月中に話し合いを持つよう時間を作りました。
やれやれと思っていたら、診療していて「しまった」と思ってしまいました。少し前にアナフィラキシーを起こしてしまった上越市内の別のお子さんと、N市の患者さんにもエピペンを処方していたのに、園や学校との話し合いの場を持つことをしていなかったのです。
市内の患者さんが受診した際に気付いたので、お母さんにその旨を伝えたら、すぐに返事があり、9日の18時半に関係者が集まって下さるそうです。私も10日に講演があり、その準備や夏期休暇中に親を連れていく旅行の準備もまだ終わっていないのですが、「鉄は熱いうちに打て」ですから、スケジュール的に結構キツいですが、受けることにしました。
こういうエピペンを持つような強いアレルギー症状を起こす可能性のあるお子さんは、再発は起こしてはいけませんが、100%防ぎきることは難しいでしょう。そうなった時に、速やかに対処しなければなりません。
文部科学省の推奨する「学校生活管理指導表」、厚生労働省の推奨する「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」にはそういったことが書かれているのですが、その辺のことを理解されている関係者は、まだまだ少ないと思っています。
国はアレルギーで困っている子ども達のためにいろいろなシステムを作ってくれています。しかし、食物アレルギーの専門医は極めて少なく、末端には広まっておらず、せっかくのシステムがあまり利用されていないし、当面はこんな状態が続きそうです。
でも、いつかは“国の想い”を広めたいと思っています。


