小児科 すこやかアレルギークリニック

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有意義な時間
2011年08月23日 更新

先週の土曜は、市の夜間休日診療の仕事がありました。

どの地区の夜間休日診療所でもそうでしょうが、大半は子どもさんの受診が多いと思います。となると、小児科医の出番という感じになります。

夜間休日診療に行くと、心掛けていることがあります。

日頃から言っているように、ウィルス感染に抗生剤が処方されていたり、脱水になっているとは思えないケースに点滴が行なわれていたりと、ちょっと理解しづらい“独特”な医療が行なわれていることもあり、何とか良い方向に持っていきたいと願っています。

当院を受診して下されば、その辺の理解して頂けるよう努力もできますが、別の医療機関を受診されていて、“独特”の医療を当たり前だと思い、通い続けている患者さんもいらっしゃるかもしれません。外に出て診療するということは、地元の小児医療のレベルアップを図るには良いチャンスだと考えていますので、やり甲斐があると言えます。

以前も、咳が止まらないことを理由に受診したお子さんが、ある小児科にかかっていたそうですが、マイコプラズマと診断されており、点滴を繰り返されていました。ゼーゼーも言って、やや呼吸困難も起こしており、明らかにマイコプラズマは誤った診断だと分かりました。ぜんそくの治療である気管支拡張薬の吸入をしたらゼーゼーや咳も改善し、ぜんそくであることを理解して頂きました。

このお子さんは、適正な治療が行なわれていなかったこともあり、結構重症化していました。吸入ステロイドを使った治療が必要であると判断し、現在は当院で治療させて頂いておりますが、これまでがウソのように発作の起こさない状況が続いています。このように「人助け」が可能なのです。

かといって、多くは発熱のお子さんが多いため、今回はあるアイテムを持参しました。

日頃から診療していると、上越の感染症は何が流行っているかだいたい把握しています。今は、いわゆる夏風邪が多いのですが、ヘルパンギーナや手足口病が多く見られています。ヘルパンギーナも手足口病も、普通の風邪と違い、のどに独特のブツブツができます。

これは当院でも心掛けていることですが、なるべく親御さんにものどを見て頂くようにしています。食欲が落ちる子も多いのですが、“いかにも痛そうなのどをしている”からです。こういうひと手間かかることでも、やれば患者教育になると思っています。

ただ、夜間休日診療の診察室にある懐中電灯は暗く、のどを見るには心許ないのです。独特のブツブツを見極め、あわよくば親御さんにも見てもらうためには、明るいライトが不可欠です。そう思い、当院で使っているライトを持参した訳です。

予想通り、ヘルパンギーナや手足口病のお子さんが多く受診したため、ライトは大活躍で、親御さんにものどを見て頂くことができました。

夜間休日診療は、インフルエンザの流行時には、猫の手も借りたい程の忙しさとなりますが、他の時期はそれ程受診は多くありません。

特に小児科は、聞きたいことも聞けないまま診察室を出されることも多いでしょうから、逆にいろいろと説明ができます。小児科は、どこも大して話も聞いてもらないものと思ってもらったら困ります。

手足口病に抗生剤の点滴をされていたお子さんの話もありましたが、逆に診断が確定すれば、治療方針が定まります。抗生剤は使うべきではなく、典型的な所見のお子さんには、抗生剤は出しませんでしたし、その根拠も説明できました。

夏休みらしく県外の患者さんもいらっしゃいました。遊びに来ていたり、部活動の合宿だったりします。

ひとり、ぜんそく発作のお子さんがいました。急に秋めいてきたせいもあるのかもしれませんが、発作を起こす直前に布団の上で跳ね回っていたようです。となると、ホコリを吸うことで発作が誘発されたようです。気管支拡張薬の吸入で、明らかに症状は軽快しました。

親御さんの話では、現在は治療を止めていたそうですが、春までは「キプレス」が効かないという理由で「ケトテン」という薬が出されていたようです。その話を聞いて、お節介の虫がうずき出しました。

ぜんそくのガイドラインには、抗アレルギー薬としてキプレスは推奨されていても、ケトテンはされていません。たまたま効かないように見えていただけかもしれません。ぜんそくにはガイドラインがあり、その通りに治療を地元でも進めてもらった方がいいでしょうと説明できました。

患者さんにもそうであって欲しいと思いますが、私自身もわずかではありますが、小児医療のレベルアップのために有意義な時間が送れたのではないかと考えています。