小児科 すこやかアレルギークリニック

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小学生の負荷試験
2011年08月30日 更新

少し前に、今年の夏は小学生の負荷試験が目立つと書きました。

先日も、これまで除去してきた食品を「負荷試験をしてみましょう」と言っていた小学生の患者さんに食べて頂きました。

食物アレルギーは、治りやすいアレルゲンと治りにくいものがあります。また、当然ですが、重いアレルギー症状を起こしたお子さんは治りづらく、軽ければ治りやすいと言えます。幼児期は治りやすいのですが、小学校に上がっても症状が出る場合は、治りづらいと言えるように思います。

また、小学生くらいになると、特定のアレルゲンを除去する生活に慣れてしまうせいだと思うのですが、本人や親御さんも「負荷試験でシロクロつけよう」という気持ちが薄まってくるように思います。それが、甲殻類、ソバ、ナッツ類、魚類などの大人に多いアレルゲンだと尚更でしょう。

負荷試験は、私がやった方がいいと考えても、親御さんや本人の気持ちがそうでなければできません。ただ、アレルギー検査の値が低かったり、過去に摂取歴がなかったりした場合は、もしかしたら食べられるものまで「食べられない」と決めつけているだけかもしれません。無駄に除去を続けるのは、減らすべきでしょうから、気付いた時に「夏休みにでも負荷試験をやりますか」なんて言うようにしています。

ある日は二人の小学生に負荷試験を行ないました。ひとりはゴマ、ひとりは貝類のアサリです。いずれも本物の食物アレルギーのお子さんで、ナッツ類や魚類でアレルギー症状を起こしたことがあります。そう言う場合は、アレルギー検査の数値が出ていると、親御さんも慎重になってしまいます。

その気持ちも分かりますので、二人ともしばらく除去を続けていたのですが、いつかはシロクロをつける必要がありますので、それが今回の夏休みだった訳です。

当院は、新潟県ではかなり多くの負荷試験を実施していると思います。そりゃ、ほとんど負荷試験をやっていない地域に開院し、「こんな検査があるんだよ」と言い続ければ、困っている患者さんはウワサを聞きつけて集まって下さると思います。

3大アレルゲンは卵、牛乳、小麦ですが、乳児期に検査が高いことを理由に除去していた場合は、成長とともに解除しなければなりません。必然的に負荷試験は、卵、牛乳、小麦の順となります。

これらの食品は、最終的にな負荷量が決まっていて、卵は加熱した卵1個、つまり卵焼きやゆで卵、スクランブルエッグですし、牛乳は200ml、小麦はうどん100gとなっています。

食物アレルギーのガイドラインには、魚は切り身30gなどとも書かれていますが、その他の食品については、明記されていないものもあり、医師の決めることになっています。ピーナッツは学会発表を聞いていると、10粒食べさせていることが多いようですが、その他の食品では施設によって多少差があるのかもしれません。

新潟県には食物負荷試験をやっている病院や医院が非常に少ないので、当院がガイドラインに負荷量が載っていないような食品まで負荷せざるを得ず、これまでいろんなものの負荷試験を行なってきました。

目安は、1回に食べるであろう量にしていました。魚やナッツ類、魚卵、甲殻類、軟体類などは、「これくらいであろう」という量を食べて頂いてきました。今回のゴマとアサリは、これまであまり負荷をやってこなかったのですが、だいたいの量を設定して負荷試験を行なってみました。

結果は、二人ともその量を完食できました。前から食べられたのか、アレルギーがあったのが治ったのかはよく分かりませんが、これからは除去する必要がないであろうことは確かのようです。

この検査のMVPは、患者さんにあげたいと思います。ものの分かる年齢ですので、ずっと親御さんから食べてはいけないと言われていたものを口にするのですから、恐怖心はないはずはありません。当院のやっている検査法では、とにかく食べてくれなくては前に進めません。何には食べてくれず、検査自体がお流れになった場合もあります。

皆が上手くいくとは限りませんが、私自身もずっと除去されてきたけど、「これなら食べられそうだ」と思い、実際に検査をして食べられることを確認できました。別の患者さんにも、この感覚は役立てられそうです。

小学生くらいになると、負荷試験はやはり休み期間中に限られますが、もっと除去食品を減らす努力は続けなければいけないと再認識しました。