まだまだ暑いと思ったら、一気に気温が下がりました。
連休明けということもあるのでしょうが、外来は混雑していました。いつも言っているように、ひとりひとりの患者さんの病気は何かをハッキリさせる努力はしているつもりです。
最近は減ってきましたが、手足口病の特有の所見が得られれば、そしてそれを多く見かけたら、「今は手足口病が流行っているんだ」となりますし、嘔吐や下痢を繰り返す子が多ければ、「胃腸炎が流行しているな。ロタウィルスかな、アデノウィルスかな?。」と考えます。
秋に増えるといえば、感染症ではないのですが、ぜんそく発作が多く見られるようになります。毎年、まだ暑さの残る8月下旬からぜんそくの調子が悪くなるお子さんが増えます。「秋が近いな」と感じる瞬間です。ある意味、季節を先取りしていると言えると思っています。
そして、この週明けも「咳が止まらない」、「ゼーゼーする」という患者さんが一気に増えました。ぜんそくを持っていると、風邪を引くと悪化することが多いのですが、受診する患者さんの多くは、発熱などの風邪症状がないことが多いようです。つまり、気候が発作の引き金になっているのだろうと考えられます。
診察にくる子ども達の服装も、長袖、長ズボン姿を見かけるようになりました。私自身も一気の気候の変化で、長袖シャツを着ていこうかと思ったくらいです。気候の変化を、まさに肌で感じています。
軽いぜんそくの患者さんだと、夏場には発作を起こしにくいこともあり、治療は中止していることが多いのですが、そういう患者さんが、こういう気候の大きな変化にさらされると、強く咳き込んだり、ゼーゼー言ったりします。治療の再開となります。
私はアレルギーを専門にしていることもあり、患者さんが咳き込んで吐いたり、眠れないと言って受診されると、とても申し訳ない気持ちになります。日中に元気に騒ぎ回る子どもは、夜には疲れを取るために“爆睡”しますが、そんな子が苦しくて眠れないことはとても気の毒で可哀想です。「何とか防げなかったのか?」と考えてしまいます。
治療を継続していれば予防できたかと言えば、軽症なら症状のある時に治療をして、落ち着いたら治療を止めるのが筋だと思うし、できれば、必要以上に治療はしたくないとも思います。そういう治療をしても症状を繰り返せば、治療を強化する必要が出てきますし、そうなって初めて、継続的な治療をしようということになります。受診したお子さんの中には1年振りの発作の子もいて、1年間は無治療で症状がなかったので、継続治療の必要はなかったという証拠でもあろうと思っています。
逆にぜんそくが重ければ、しっかりと継続治療をすることが求められ、ガッチリ治療していれば、多少の気候の変化ではびくともしなかったりします。
私のよく言うガイドラインは、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の場合は、あまり守られていないのが現状です。ぜんそくの場合は、これらの疾患に比べると、比較的遵守されているように思います。一部で、過剰治療も行なわれていますが…。
そんなお陰で、入退院を繰り返す重症なぜんそくの子どもはかなり減っています。当院でも入退院を繰り返していた患者さんも診ていますが、入院の必要がほぼないので、外来管理が可能になっています。つまり、重症の患者さんの場合、治療は容易になっていると言えましょう。
その反面、軽症なぜんそく患者さんの治療が難しくなっているように感じています。現在の医療の限界と言えるのかなとも思っています。
最近は、咳が止まらないと、園の先生がどこの小児科にかかっているか親御さんから聞いてくれて、良くならなければ当院を受診するよう勧めてくれるようになりました。
驚くべきことに、ほぼ全例がぜんそくが見逃されており、マイコプラズマなどと診断されたりして、点滴を繰り返されています。医院の利益は上がるでしょうが、患者さんには不毛の対応を言えると思っています。私の診断根拠はガイドラインによるので、ぜんそくはガイドラインが普及してきているとは言っても、私の地元では一部の小児科でまったく普及していないようです。
この週明けにぜんそく発作のお子さんを多く診たのですが、調子悪ければ早めに受診するよう指導しているため、気管支拡張薬の吸入をしたお子さんは数名いましたが、点滴や入院に至るケースはありませんでした。
ただ、私が診たことのない患者さんで、他の医療機関でマイコプラズマと誤って診断され、点滴を繰り返しているお子さんが少なくないと思うと心が痛みます。ガイドラインを守っていない医療機関にはアレルギー科の標榜を禁止するなどの措置が取られないと、地元の医療レベルは上がっていかないと思っています。
すこやか健康フェアが迫ってきましたが、食物アレルギーも当院の開院時からすると地元のレベルが上がってきていると実感していますが、未だに「2歳まで完全除去」と適切とは思えない指導をしている医院さんもあり、秋に限らず、私の悩みは尽きないようです。


