当院だけではないと思いますが、インフルエンザワクチンの接種が佳境に入っているようです。
最近は希望者がとても多く、土曜は半日のはずですが、夕方までかかってしまいます(汗)。
月末に講演を依頼されており、お題は呼吸器感染症とぜんそくの新しい治療なのですが、毎日、仕事が終われば寝ても覚めてもこのことを考えています。ただ、毎日クタクタになって家に帰るので、準備がなかなか進まないのが現状です。
少しは時間的余裕のある週末が“稼ぎ時”ですが、1週間の疲れもたまっているので、悪戦苦闘しているところです。
感染症の本を買い込んできて、どの病気の話をしようかと考えているのですが、インフルエンザの他、百日咳、マイコプラズマ、クラミジア肺炎、後鼻漏症候群、結核などをピックアップしようと思っています。
予防接種が広く行なわれていることもあり、ワクチンで予防できる病気である百日咳や結核はだいぶ減っています。昔は多かったようですが、かなり減っています。しかも、かかっても軽く済んでしまうこともあり、特に百日咳は典型的な症状は来さないと言われています。
患者さんの方も「咳が長引いている」くらいに感じていることも多く、知らぬ間に“感染源”になってしまっています。プロである、医師が気づく必要があるのですが、私自身も見逃しているのかもしれません(汗)。
今回、いろいろ勉強してみて、意外に思うこともあります。おたふく風邪もワクチンがあり、接種しておくと発症を防ぐことができるのですが、効果は100%でないため、おたふく風邪を発症してしまうこともあります。かかってしまえば、「終生免疫」といって一生おたふく風邪にはかからないのは“常識”のはずでした。
今回読んだ本には、おたふく風邪の既往があるのに、周囲におたふく風邪の流行がある状況で、お子さんの頬が腫れたというケースが紹介されていました。実際におたふく風邪のウィルスが存在するかどうか精査してみると、存在が確認できたそうです。しかも、2日程で腫れも引きました。通常、おたふく風邪は1週間程かかって、腫れが消失しますので、恥ずかしながら「あっという間に腫れが引いてしまえば、おたふくではないんではないか」と説明していました。
自分の“常識”のなさに、焦ってしまいました(泣)。日頃から根拠のあることをやる必要がある、なんて言っていて、自分が恥ずかしくなります。
近年の技術の進歩で、そういう事実が分かってきたので、やはり新しい情報に常に目を向けていないんだなと反省させられました。
今回の講演に当たり、とある方から「先生しかいない」と口説かれましたので、「そうだな…」と思いましたので、引き受けた次第です。ただ、三種混合の接種で、軽く済んだ百日咳は、あまり診た経験がないのです。この辺の話は、知ったかぶりをして話のは嫌なので、せめていろいろ調べた上で、根拠のある話をしなければなりません。
最近仕事が忙しく、十分な準備が取れなかったことを言い訳にしたくなので、だからこそ緊張感が持続しています。この日曜も夜な夜な講演の準備をしていました。
根拠のある話をするために、専門書の図や表を使わせてもらおうと思っています。例えば、マイコプラズマが以前はオリンピックの年に流行っていたのだけれど、最近はその規則性がなくなっているのは知っています。実際に年度別のマイコプラズマの発生頻度を調べてみると、1984年、1988年とかなり流行しており、徐々に4年毎の流行がみられなくなっているのが、図を見るだけで手に取るように分かります。
4年毎に流行っていたのは、一度かかるとマイコプラズマの抗体が3年程は保つのではないか推測されます。実際に、2年程は保つという報告もあります。しかし、当院に「マイコプラズマが良くならない」という訴えで受診される患者さんが後を立ちませんが、半年で3回もかかり、その都度点滴をさせられたとおっしゃいます。
マイコプラズマの迅速検査は、間違いが少なくないため、プロは使わなくなっています。仮に陽性であっても、今回の症状の原因がマイコプラズマだと特定でないことが“常識”になっています。にもかかわらず、その検査を根拠に誤った診断を繰り返していると思われる医師もいます。中には“洗脳”されている園もあり、園で咳をしていると「マイコプラズマかどうか、調べてもらってきて下さい」と親御さんに勧めているようです。
まさか医師が間違うはずがないと思っているのでしょう。おたふく風邪にかかっても、またかかることがあるのを見逃していたかもしれない私にも言えることですが、間違わない医師はいません。ビックリするくらい根拠のない、見方によっては、かなり経営に傾いた医療をしている医師もいるようです。得をするので、なかなか止められないのかもしれません。
根拠のない医療をしている医師は、感染症でもアレルギーでも、根拠のないことをやる傾向にあるようです。ホームページを見ても、ガイドラインの「ガ」の字も出てこないようでは、患者さんに迷惑をかけてしまうはずです。結局、医療が「宗教」になってしまっているのです。ですから、先日も書いたようにマイコプラズマで1週間も点滴されても不平、不満もでないのです。おかしな医療をした方が儲かるような、そういったことはなくす必要があります。
自分のことは少し棚に上げますが、私は地元の医療レベルを上げるために日々頑張っているつもりなので、今回のご指名の講演についても、不用意な話はできないのです。
ということで、専門書から図や表をスキャナで取り込んで、説明に使おうと思っているのですが、日曜の朝4時に急にスキャナが不調となり、図が取り込めなくなりました。仕事にならないので、医院に別のスキャナを取りにいこうと思ったくらいです(大汗)。
講演の最後に、エピペンの話をしようと思っています。先週も触れましたが、私の診ている患者さんでエピペンを処方しているお子さんの通う園に、エピペンを預かってもらえるよう重点的に働きかけています。
当院のお膝元である上越市で、エピペンを処方しているのは当院が多いでしょうが、チキンと管理されているのかどうか確認できていなかったので、その辺の話も組み入れたいと思います。
アレルギーの話をさせて頂き、それが評判を呼んで(?)、別の地域で講演に呼ばれたりしていますので、呼吸器感染症についてもそうなるよう、しばらくは悪戦苦闘を続けていきたいと思っています。


