真面目に診療していると、ついてきて下さる患者さんも増えてくるのかなと思っています。
私は、診療は「量より質」だと思っています。確かに流れ作業的に、良くなっていなくても同じ薬を出し続けるような診療は一人当たりの時間もかかりませんから、多くの患者さんに対応でき、収益を上げることができます。大して話も聞かずに、症状も改善されずに、困り果てて当院を受診される患者さんを、結局は当院で引き受けることになります。
私も同じことをやれば、地元の患者さん達は救われませんから、“反面教師”としてやるしかないし、往々にしてアレルギーが見逃されているので、私の出番です。もともと、じっくり向かい合う診療スタイルが好みですし、私の実力もまだまだですが、レベルの低い医療はやりたくありません。「質」にこだわっているつもりです。
当院は、ホームページから問い合わせを受け付けています。普通の開業医は、そうはしないでしょうが、患者さんから相談を受ければアドバイスはできます。
少し前のことですが、某県の食物アレルギーでお悩みの患者さんからメールを頂きました。地元の医師から「食物負荷試験」をやってもらえず、アレルゲンの解除ができないという相談でした。
当院まではかなり距離があります。私は頼ってくれる患者さんにはできるだけ対応したいと思っていますが、来てくだされば負荷試験をやろうと思っていました。親御さんもそういう気持ちだったようですが、如何せん、お子さんの車酔いが激しく、当院までは辿り着けないであろうという話でした。
最近は、新潟県も便乗して欲しいのですが、全国的には「食物負荷試験」を実施する医療機関が増えてきています。その県にも誰かいるはずと、親御さんに日本アレルギー学会の専門医の掲載されたホームページを紹介し、電話で問い合わせて頂くことにしました。残念ながら、アレルギー専門医と言えども、皆が「食物負荷試験」をやっている訳ではありません。いや、やっていない医師が多いくらいです。
親御さんの話では、負荷試験をやっていそうと電話してみても、断られることもあったようです。しかし、母の願いが通じたのか、負荷試験をやっている小児科の先生に巡り会い、負荷試験をやってもらえたと私のもとに連絡を頂きました。卵の制限も解除できたようです。よかった、よかった。
申し訳ないですが、その先生を私は存じ上げていなかったので(当然、私のこともご存知ないでしょうが)、ネットで調べてみると、私なんかよりもキャリアがあり、専門施設で研修され、立派な先生でした。
私は、その先生に連絡を取ろうと思いました。私は開業医が「食物負荷試験」をやりたがらないのは、「アナフィラキシーのリスクがある」、「時間を取られ、効率が悪い」、「コストパフォーマンスが悪い(お金にならない)」などの理由が挙げられると考えています。
それでもなおかつ、「食物負荷試験」をやるのは、その先生の譲れない“こだわり”を感じるし、根拠のある医療をやりたいという意思表示だと感じました。「男の生き様」を感じたのです。是非とも連絡を取り、いろいろ教えてもらったり、刺激も受けたいと思いました。
当院も、週明けということもあり、患者さんはとても多かったのですが、珍しく18時半前に終わりました。「今日なら電話できる」と思い、受話器を取りました。当院は、診療が終わるのが19時を過ぎることも多く、スタッフにも迷惑をかけてしまっています。
受付の方と話をしている裏で、待合室の患者さんの声が聞こえています。静かではないので、まだ結構待っている人がいるんだなと理解できました。私の話は緊急性はないのですが、せっかく電話したので、その日のうちに少しでも話をしたいと思いました。19時半には終わるだろうということでしたので、1時間待って再度電話してみました。
何と、あと2家族待っているとのこと。迷惑になるので、その日の電話は諦めましたが、アレルギー専門医として患者さんを大切にしながら、ポリシーを持った診療をされている先生だと感じました。尚更、お近づきになりたいと思いました。
その先生のところのスタッフも大変だと思いました。こんな時間まで、お疲れさまですとも思いました。きっと親御さんも、安心してお子さんの健康を任せられるからこそ、そこまで待つ価値を見出されているのでしょう。また時間を見つけて、連絡してみようと思っています。
当院も、開院してから一番遅かったのが21時でした(汗)。これはだいぶ前の話で、年末の相当混雑した日のことでした。ここ最近は、そんなに遅くなることもありませんが、スタッフにも負担をかけているなと申し訳なく思うこともあります。
ということで、今年の暮れにスタッフを郷ひろみのディナーショーをプレゼントすることにしました。大物のショーなのでかなりの出費ですが、スタッフ孝行もしなければいけないと思い、決断しました。楽しんでこようと思っています。


