小児科 すこやかアレルギークリニック

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NHKスペシャル
2011年11月17日 更新

時々、この場で「医療は宗教化している」と言っています。

「何を言ってんだか」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、アレルギーで医療機関を転々とされた患者さんは、私の言う意味がよく分かって頂けると思っています。

地元は、特にそういう傾向が強いと思っています。私のかかわる分野ですと、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、マイコプラズマ感染症、蓄膿症などが挙げられますが、全くと言っていい程医学的根拠のない“医療”(私は医療とは呼びたくありません)が幅を利かせています。

相当、悪質なものもあり、それを根絶したいと思っていますが、長年“支持”されてきたようで、そう簡単には根絶できそうにないようです。医療は、医師の献身的だったり、良心が根底にあって初めて成り立つものだと思います。患者さんを最短距離で、本気で治したいと思えば、マイコプラズマで点滴に通うように言われたり、蓄膿で抗生剤は出されずに、とにかく吸引に通うように言われるのは、おかしいのです。

「何度通っても良くならない」、と患者さんが見切りを付けて当院を受診されますが、内心「医者が治そうとしてないからだよ」といつも叫んでいます。「病気のことは難しいし、医師のやることは、すべて正しい」とお考えの患者さんもいらっしゃるでしょうから、根絶は難しくとも、せめて減少はさせたいと思っています。

ここ最近、養護の先生にぜんそくと呼吸器感染症の講演をする準備を進めていることを書いていますが、私にしてみれば千載一遇のチャンスとも言えます。養護の先生は、医療の心得はお持ちでしょうから、エビデンス(医学的根拠)を丁寧に示せば、“おかしな医療”に気付いて頂けると思うからです。

事前に資料の提出を求められており、期限が迫ってきています。ぜんそくの方はそっちのけで、呼吸器感染症の準備に力を入れています。例えば、地元では幅広く行なわれているマイコプラズマの迅速検査は、「参考にしてもいいが、確定診断にはならない」と新しい医学書には、口を揃えて書かれていますが、特定の医師がそれにより診断を確定しています。当然、誤診も増える訳です。

マイコプラズマと似た経過をたどるクラミジア肺炎も、結構な頻度であると言われています。マイコプラズマの検査をして陰性だったら「じゃあ、風邪だね」なんて言う医師もいるでしょう。頻度が高い病気なら、常に頭の中で想定しながら、見逃しを少なくすべきでしょう。

昨日も、診療が終わったあとも医院に残り、私が苦労したマイコプラズマやクラミジアの症例をピックアップしていました。今回の講演で、私の実際に取り扱ったケースを話の中にちりばめると、聞く側の養護の先生も分かりやすいと思うからです。

用意しているスライドは100枚を越えましたが、まだまだ完成にはほど遠いレベルです。もっと完成度を上げないと、上越の医療は改善できないと思っています。

今日のタイトルからだいぶ離れてしまっていることに、いま気付きました(汗)。でもわざとではありません。

もうまもなくですが、11月20日(日)の21時からNHKスペシャルがあります。番組タイトルは「アレルギーを治せ!」となっています。

ネットで調べてみると、食物アレルギーでは、昨年のすこやか健康フェアの講師をお務め頂いた高増先生の所属する神奈川県立こども医療センターが登場するようです。最近、マスコミでも取り上げられている「経口減感作療法」に力を入れている病院です。卵をほとんど食べられなかった卵アレルギーの患者さんが、約2週間で卵1個を使ったスクランブルエッグを食べられるようになったという、新たな治療法が紹介されるようです。

当院も「食物負荷試験」に力を入れていますが、「アレルゲンを積極的に食べさせる」という意味では同じことをしています。当院の場合は、そこまで積極的ではありませんが、「食べて慣れさせる」ということを想定しながら「食物負荷試験」を行なっています。

NHKスペシャルでは、アトピー性皮膚炎も取り上げるようです。これは先月末にあった小児アレルギー学会の話の中でも聞きました。重症のアトピー性皮膚炎の患者さんを、子どもは成育医療センター、成人は東京逓信病院の先生が治療するそうです。ステロイド軟膏を“適切”に使って、こちらも積極的に安定させようとする治療の様子が放映されるのではないかと思います。

一方、地元ではアトピー性皮膚炎なのにアトピーとも診断されず、赤ちゃんの顔に何の説明もなくステロイドが処方されている現状には、私は我慢できません。もっと医師がプロ意識を持つべきでしょう。私も説明の上、ステロイドを積極的に使っていますが、最新の方法は、安定しているように見えても、より積極的に、強めのステロイドを長めに使うでしょうから、私も勉強させて頂こうと思っています。

さすがにNHKだと、「最近はこうやって治療するんだ」ということが伝わると思いますので、是非とも上越の方と限定してはいけないでしょうが(笑)、多くの方々に見て頂きたいと思っています。当院も“最先端”のことはできませんが、方向性は同じだと思っています。おかしな医療をする医師は、時代の流れについていけていませんから、別の方を向いていたりします。

食物アレルギーやアトピー性皮膚炎といったありふれた、多くの小児科医が診るような病気を日本の第一人者の先生がどう考え、どう治療しているかに注目しながら、今回のNHKスペシャルをご覧頂きたいと思っています。