毎日の診療が充実しているのですが、ちょっと疲れ気味です(涙)。
日中、忙しくて、夜も講演の準備という毎日は疲れるのも当然と言えば、当然ですが…。ただ、上越の医療レベルを上げるためには、頑張りどころです。
そんな日々でも、疲れを忘れる瞬間があります。あまりにひどい対応をされてきた新患の患者さんを診療している時です。
先日、市外から皮膚症状の相談に来られた患者さんがいました。最近とみに寒くなってきて、長袖長ズボンですから皮膚の状態は一見伺い知れませんが、腕をまくった途端に「あぁ…」と思いました。
子どもらしい、羨ましくなるような瑞々しい肌はそこにはなく、言い方は悪いですが、象さんの皮膚のようなゴワゴワした皮膚が目に飛び込んできたからです。これを「苔癬化」というのですが、服をたくし上げ、くまなく皮膚を診察するとかなりの広範囲に渡ってガサガサ、ゴワゴワした皮膚で覆われています。ところどころ掻き壊したところがあり、細かいかさぶたになっています。
誰がどうみてもアトピー性皮膚炎でしたが、なんと前医ではアトピーと診断されていませんでした。塗り薬を出されても、一向に良くならず、医者を代える決意をして、当院を受診されたのです。
地元の医療で、私が不満に思っているのは、エビデンス(医学的根拠)に欠ける診療がなされていることです。もちろん、真面目にやっている先生もいますが、「そんなのお構いなし」という研修医以下のレベルの医療も見かけます。
親御さんは、お子さんの症状を改善させようと前医に必死になって通っておられました。「なぜ良くならないのですか?」とかかりつけに聞いたところ、「塗り方が…」などと言われたそうですが、説明や指導も足りておらず、明らかにその医師の診療レベルを越えているようです。残念ながら、期待は裏切られました。敢えて言えば、診断もできない医師に治療なんてできるはずもないです。しかも、紹介状を書こうともしなかったのは、モラルにも問題ありと言いたくなります。
こういう時は、ガイドラインを片手に最初から説明することになります。私からすれば、開院してからこんなことは日常茶飯事ですが、患者さんにしてみれば、お子さんの病気を理解する権利がある訳ですから、手を抜くことなんてできません。日々の疲れなんて吹き飛びます。
当院は、ぜんそくを見逃されている患者さんも受診されます。ぜんそくがとても重ければ、ゼーゼー言って呼吸困難を伴うぜんそく発作を繰り返します。場合によっては入退院を繰り返すことになるでしょう。いくらアレルギーの専門医でなくても、ぜんそくが重ければ、見逃されることはないと思っています。
この患者さんは、親御さんにも確認して頂きましたが、「最重症」のアトピー性皮膚炎でした。「最重症」のアトピーを診断できないなんて…と驚いてしまいました。
ぜんそくの場合は、「気道過敏性」と言って気管がかなり敏感になっていますので、例えば悪いですが、ちょっとした刺激ですぐに導火線に火がついたように、ぜんそく発作を起こします。
アトピーも、皮膚の“過敏性”が増しているため、ステロイドを中途半端に使っても、すぐに悪化してしまいます。ガッチリと安定させなければなりません。ガイドラインを片手に説明したと言いましたが、個人によって使うステロイドの強さや塗り方、減らし方も異なるので、あまり具体的な方法は触れていないのです。
その時「あの手が」と思いつきました。今月20日(日)21時からのNHKスペシャルを見て頂ければいいのです。番組内でかなり重症なアトピー性皮膚炎の患者さんも出てくるようですから、それを見て頂ければ一目瞭然だろうと思ったのです。ちょうどいいタイミングで放映されると思いました。
アレルギーが詳しくない先生は「こんな番組があるんだよ」と患者さんには伝えないでしょう。当院の場合は、治療の方向性は、番組内で紹介されるそれとは大きく変わらないと思っていますから、何人にも「見た方がいいよ」と紹介しています。
かかりつけの方針と大きく異なれば、医者を代えることも選択のひとつになるでしょう。その前に「どうしてNHKの番組の方針とは違うのか」とかかりつけに聞いてみるのも手でしょう。いずれにしても、アトピー性皮膚炎で、現在かかっている小児科や皮膚科の先生の治療法と異なるのかどうかをよく見極めて頂きたいのです。
いろんな意味で参考になるともいますので、週末に迫ったNHKスペシャルは、新潟県内の方も、県外の方も大勢の方に見て頂きたいと思っています。


