日曜の21時からNHKスペシャルで、アレルギーの番組を行なうことは告知していました。
成育医療センターや東京逓信病院の先生が出てくると思っていました。既にNHKの朝の情報番組「あさイチ」に出ておられ、続編があるように聞いていたのですが、不確かな情報だったようです。すみません。
いずれにしても、見応えがあったと思いますが、如何だったのでしょうか?。
食物アレルギーの「経口減感作療法」は、最近マスコミに取り上げられることも多く、今回出てきた患者さんも、“予定通り”の治り方でした。
10mgで症状が誘発されてしまうなんて、これ程までに微量で症状が誘発されてしまう患者さんは当院にはいませんが、3週間で卵1個を食べられるようになるなんて、やっぱり不思議でもあります。
番組内でも強調していましたが、自宅で真似てやるようなことはしないで欲しいとのこと。成功率は98%と言っていましたが、中にはアナフィラキシーを起こすこともあります。入院の上で、緊急事態にいつでも対応できる体制を整えていて初めて行なえる治療なので、自己判断はしない方がいいでしょう。
世界をリードする治療法と紹介されていましたが、先日発刊された食物アレルギーのガイドラインでは、現時点ではこの経口減感作療法を「推奨しない」ということになっています。
何故なら、先程も述べた通り、治療中にアナフィラキシーを起こすこともあるからです。「治療」というからには、かなりの安全性が保証されていなければならず、そういう意味では期待はされているけれど、もっと危険性を減らさないといけないということです。今後の研究の進展に期待しています。
花粉症の免疫療法の話も出てきました。これまでも花粉のエキスを注射という形で投与して、体をスギ花粉に慣れさせるという治療法はありましたが、注射なので、医療機関に通わなければならず、痛みも伴うものでした。
今回のそれは、エキスをしばらく口に含むだけなので、痛みも伴わないし、家でも実施できるところがミソです。もともと70%くらいは有効と言われています。近々発売されると聞いていたので、私もやってみたい治療法のひとつです。
アトピー性皮膚炎も、海外では、発症のリスクのある赤ちゃんに塗り薬を塗って、発症を予防しようという試みがあるそうで、それは初めて聞きました。
最近は、「茶のしずく石けん」で一気に知られるようになりましたが、「経皮感作」のこともあり、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎はステロイドで皮膚をツルツルの状態にしておくことが望ましいと言われています。
もっと根本的に発症予防できるのであれば、「経皮感作」も防ぐことができ、そちらの方が望ましいと考えます。今後、学会などでもこの治療の有効性などに注目していきたいと思っています。
アトピー性皮膚炎の国内の治療では、結局はステロイドをキッチリ塗りましょうという話でした。番組内で、ビシッと言ってくれたので、それは良かったと思っています。番組内で出てきた大学病院の先生は、これまでステロイド軟膏を出すだけで、塗り方などの指導がほとんどなされて来なかったことは反省に値するとおっしゃっていました。
司会のいのっちが、医師も診療が忙しいでしょうからとフォローしていましたが、アトピー性皮膚炎が改善もしていないものを、ほとんど説明もなく同じ塗り薬を処方し続ける医師が多かったことを意味しており、先日も書いたように医師のモラルを表しているのだろうと思っています。
最近は、感染症モードでそういった話が多いですが、専門医が使わないような検査法でマイコプラズマと診断して、点滴を強いているような医療は、やはりモラルの低下と言わざるを得ず、地元の養護の先生に「有り得ない」ことを理解して頂けるよう、根拠のあるデータを集めているところです。
この場で、今後も医療のモラルから、アレルギーの最新情報まで紹介していきたいと思っています。


