4日(土)の診療中に、「TeNY」という新潟県民にはおなじみの日本テレビ系列のテレビ局で「医療の広場」という番組が放映されました。
「専門医のススメ」において私が出演し「乳児のアトピー性皮膚炎」についてお話しさせて頂いたのですが、ちょうど診療中でスタッフや患者さんは「いまやっている」なんて言っていましたが、私は診療中だったので見ることはできませんでした。
とは言え、家では録画しておいたので、ちゃっかりチェックしました。やはり、緊張していましたね…(涙)。
どれだけの方がご覧になったのか全く分かりません。土曜とは言え、日中なので私のように仕事中で、見ることのできなかった方も多いと思っています。
私としては、他院に通院しても湿疹が良くならないという理由で当院を受診される患者さんの9割以上がアトピー性皮膚炎なのに適確に診断されていない現状を、何とかしたい一心でした。診断を間違い、治療も過小になれば良くならないのは当然のことで、本当なら親御さんはアトピー性皮膚炎とは診断されたくないはずですが、多くの患者さんが「原因が分かりホッとしました」と言って下さいます。
慢性疾患なので、まず正しく診断されることが、治療のスタートとも言えます。診断が正しくなければ、スタート地点に立てていない患者さんも少なくなく、新潟県の医療レベルを向上させなければと思っています。
実は、12月から番組の打ち合わせをメールでやっていました。話したいことは沢山ありました。最初は制限時間内に納まらないと言われました。何度もやり取りをした結果として、あの内容となりました。
時間が短ければ、伝いえたいことは減ってしまいます。私の言いたかったことを挙げてみます。
1.乳児湿疹と誤診されていることが多いこと
2.アトピー性皮膚炎の診断基準(3つのポイントを満たすかどうか)
3.食事の影響もあるが、食事のみとは言えないこと
4.ステロイド使用の是非
5.キッチリ使えば、短期間でも改善が可能なこと
6.乳児期発症のアトピーは急速に改善するケースが少なくないこと
7.通院しても良くならなければアレルギー専門医を受診すること
ちょっと欲張り過ぎでしょうか?。ここでいう「アレルギー専門医」とは、よく幹線道路を走っていると「アレルギー科」という看板を見ますが、必ずしも「アレルギー専門医」とは限りません。アレルギー科という看板は、専門病院で研修していることを表している訳ではないからです。
本当は、日本アレルギー学会のホームページから「アレルギー専門医」を探すことができるので、そのコメントも入れたかったのですが、放映に組み込まれていませんでした。時間との戦いだったので仕方なかったのですが、ちょっと悔やまれるところです。
実は、今週の土曜、つまり11日(土)の11:40から同じ「医療の広場」の専門医のススメにおいて、今度は「食物負荷試験」の解説をさせて頂きます。以前、食物アレルギーの解説がなされたことがありますが、私の認識では食物アレルギーの診断や管理は「食物負荷試験」なしにはできないはずです。その部分が詳しく話されていなかったので、別枠で取り上げて頂くことになりました。
食物アレルギーの患者さんは乳幼児を中心にとても多いのですが、「食物負荷試験」の存在を知っている患者さん、親御さんは非常に少ないのです。それは医師が、そういう検査があることを説明していないのが大きな要因でしょう。
患者さんは、適正な診療を受ける権利があります。“適正”とは何かとなると、一般的にはそれこそ日本の第一人者の専門医が薦める診療と思いますし、それが「ガイドライン」になると思います。
日本の医療制度は、国民皆保険となっていますが、どの医師がみても良心的に、ハイレベルな診療をしてもらえるということが前提になっています。ところが、多くの医師が「食物負荷試験」を行なっていないため、食物アレルギーの患者さんを診ても、その検査の存在すら説明されていない現状は、私はフェアーな対応とは思えないのです。
私の恩師の福岡病院の柴田先生は、このガイドラインの作成に大きくかかわっていらっしゃいます。何があっても「食物負荷試験」を広めるのが、新潟県における私の役割だと思っています。
医師なのに、医療の本質でない部分でテレビなどで取り上げられる人もいます。「有名だから」とかかっている親御さんもいらっしゃいますが、必ずしも実力が伴っていない場合すらあります。私も何でもできる訳ではありませんが、医師は診療内容で評価されるべきでしょう。診療の内容は、専門医かどうか、良心的かどうか、情熱を持っているかどうか等で大きく変わってきます。患者さんも「お医者さんに任せておけば大丈夫」という時代は既に終わっていますので、医師を見極める「目」を養う必要があります。
先週と、今週の放映でアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの最新の診療を知って頂くと同時に、いま述べてきたことを確認して頂くきっかけになってくれれば良いと思っています。


