小児科 すこやかアレルギークリニック

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“春”
2012年03月29日 更新

今年の新潟は大雪でした。

当院の周辺にも、除雪され、その結果道の両脇にできた巨大な雪の壁があったのですが、それもいつの間にか溶け、だいぶ春めいてきました。

それもそのはず、もう3月の末です。ただ、先日も雪がちらつき、まだ油断はできません。冬タイヤから夏タイヤに交換するのは、もう少ししてからになりそうです。

インフルエンザがかなり減ってきて、感染症の患者さんが減ってきました。目立つのは軽い胃腸炎の患者さんでしょうか。普通の小児科なら、感染症が減り、外来も混雑しなくなるので、しばらくはよく言えば英気を養える、ハッキリ言えばヒマになるのだろうと思います。

一般企業は年度末と言うことで、忙しいのでしょうか?。務めたことがないので、年度末がどれだけ忙しいのかよく分からないのですが、医院の場合は、年度末だからと言うことはないと思っています。

しかし、当院の場合はちょっと様相が異なります。

新年度が始まると、アレルギー診断書の記載を求められる機会が増えます。いつも言っているように、食物アレルギーは「アレルギー検査の結果が高いから食べられない」というのは正しくありません。確かに高いと、症状の誘発される可能性は高まりますが、意外と食べられることが多いというのは「食物負荷試験」を真面目に行なっている医師なら誰でも感じていることでしょう。

以前食べて症状が出たと言っても、成長してくれば身体も強くなり、消化能力も増してきます。もともと食物アレルギーは、アレルギー検査の値が高くても、年齢により、食べられる確率が上がってきます。つまり、過去に縛られ過ぎてもいけないということになります。

アレルギー診断書は、記載する側にとても問題があって、例えばお母さんが「卵は心配だから食べさせていません」と言えば、「あぁ、じゃあ卵は“食べられない”のね」と医師から卵を除去するように書かれることが多いのです。

ここで、「食べさせていない」と「食べられない」はイコールではありません。ただ、多くの小児科医が、それを黙認しているというか、解決しようとしていないのが現状でしょう。専門医なら、間違いなく「負荷試験をしてシロクロ付けましょう」と言うはずです。

風邪で熱が続いた時に、座薬を使うことがありますが、これはあくまで対症療法です。決して特効薬ではありません。対症療法は、それ以上の悪化を防ぐという意味では大切なことは否定しませんが、悪く言えば「その場しのぎ」と言えるのだろうと思います。

先ほどの診断書の話も、“その場しのぎ”で書いてしまうと、医師の診断書は「絶対」ですから更新する1年後までは、園や学校職員が必死になって「食べさせない」よう努力することになります。それが正しいこともあるでしょうが、正しくないことも結構含まれていると思います。少なくとも、当院に食物アレルギーで相談に来られる患者さんの多くは、過剰な除去を強いられています。

私が非専門医の先生と同じことをやっては、新潟の食物アレルギーの医療レベルは上がりませんから、ひとりひとりに負荷試験の存在を説明し、受けてシロクロ付けるように薦め、多くの場合で「そんなに除去する必要はなかったね」と言う結果となります。まず100%の患者さんが「食物負荷試験」の存在をかかりつけ医から聞いておらず、これは敢えて言えば、医療界の隠蔽体質の表れと言えると思っています。

インフルエンザの流行で一時中断していた負荷試験を3月12日から再開しています。例年は年度末と言うことで、検査の希望者が殺到?するのですが、今年は少ないのかなと思っていましたが、既に数十件は行なっています。

そして多くのケースで、これまでの除去の解除ができている訳ですが、つまりそれまでのご家族やら園、学校での除去がそこまで必要なかったことになります。しなくていい努力を続けること程虚しいことはないと思います。

食物アレルギーで困っている患者さんや親御さんに、本当の意味での“春”は来るのだろうかと思っています。