(昨日の続きです)
当院は、県内各地から食物アレルギーで困り果てている患者さんが受診されています。一般小児科の医院さんとはそこが異なるところでしょう。
ぜんそくもアトピー性皮膚炎もすぐには治らない慢性疾患であり、主治医が治るまで責任を持って見守る必要があります。食物アレルギーも同じなのですが、まあ“いい加減”に対応されているケースが目立ちます。
残念ながら、全国的な傾向ではありますが、小児科医の多くは食物アレルギーを充分理解していないという事実を親御さんは理解しておく必要があります。
昨日も卵アレルギーのお子さんに、卵焼きを使い負荷試験を行ないました。途中で食べなくなり、蕁麻疹が広がってきました。お子さんの通う園が、アレルギーがあれば“完全除去”か“除去なし”かの二つしか選べず、「そろそろ食べられるのではないか?」という思いもあって挑戦してみました。結果はいま記した通りです。
当院は、患者さんをとにかく集めて、無責任に大勢診ようなんて診療はしていません。来られた患者さんを、アレルギー以外でも見落としの少ないように真面目に対応しようと思っています。ただ150人を越える受診があると、昼休みもなく、しかも19時過ぎまで診療しています。そんな外来で「食物負荷試験」をやっている小児科の開業医は、全国的にもほとんどいないのではと思っています。
最近の医師はとにかくリスクを避ける傾向がありますが、それが“必要以上”にだったりします。だから負荷試験が広まらないのだと思います。その分、医師が根拠のある医療を“放棄”することになります。しかし、根拠のない医療は、患者さんを惑わせるだけです。
お子さんに必要以上に食事制限や除去させたくない、親御さんにもなるべく負担をかけたくないと真面目に考える小児科医が「食物負荷試験」を実施していると言えるでしょう。新潟県内で当院を受診される患者さんは「オレが守る」という気持ちで診療しています。
年々外来が忙しくなり、講演活動の他、今年は念願の小児アレルギー学会から依頼があり、これまでは「こちらから発表させてください」という感じだったのが、「講演してください」となり、その準備もしなければなりません。
そんな状況でも、先ほど言った「守る」という言葉は、単に負荷試験でシロクロをつけるだけでなく、患者さんを取り巻く環境を改善させることも意味しています。
私の関わっている上越市、妙高市、柏崎市は市をあげて保育園や幼稚園、小学校、中学校でエピペンはおろか、蕁麻疹が出た時などの緊急対処の内服薬まで預かってくれています。しかし、新潟県の他の市町村は、そこまで対応できていないところがほとんどだと思います。私の地元ができて、できない道理がないのです。
27日、某市から通ってくれている患者さんが市役所に呼ばれ、エピペンを預かってもらえるよう希望を出していることに対する説明があるそうです。昨年の10月から働きかけているのに、お粗末な対応と言わざるを得ず、その間に妙高市や柏崎市はシステムを立派に完成してしまっています。
親御さんから逐一情報を頂いていますので、更に先延ばしするような対応なら、私自身が主治医として、患者さんを守るため、市にかけあい、問いただそうと思っています。
県内は専門医が極めて少ない分、その他の地域は蕁麻疹が出た時の内服薬を預かっているところはほとんどないのではないかと思っています。園や学校がミスをして誤食させても、そのしわ寄せがすべて親御さんにかかるのが当たり前という地域もまだまだ多いことでしょう。多くの地域の患者さんが、内服薬を預かってもらうことすら“夢のまた夢”となっていると思います。
しかし、私の地元など先の3市ではキチンと対応してくれており、“夢”ではないのです。これを読んでくださっている患者さんで「私の地域では預かってもくれない」という方もいらっしゃることでしょう。不満を言っていても何も始まりません。逆に、こちらから行政に働きかけて、薬を預かってもらうということを勝ち取っていきませんか?。
タイトルの「患者会」とは、普通の親睦会的なものではなく、中越の某市と交渉を繰り広げてくれているお母さん達と情報を共有しながら、もっと多くの地域で内服薬やエピペンを預かってもらうことを目的とした集まりを指します。会費や会合などはなく、ネット上で気軽に相談し合いながら、行政に食物アレルギーの理解を深めてもらいつつ、より良い対応を求めていくものです。
実際、この某市はなかなか対応が進みませんが、3人の親御さんを結びつけることで「戦って苦労しているのは自分だけではない」と感じられたとおっしゃってくださっています。患者さん1人では行政や医師の前では無力と言わざるを得ませんが、支えあえば思った以上に力を発揮できると思っています。
このページの一番下に「お問い合わせ」というボタンがあり、そこから私にメールを送ることができるようになっています。実際に行政との交渉で奮闘中のお母さん達とともに、食物アレルギーのお子さんを守る方向に進む一助になってくれたらと思っています。


