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色素沈着
2012年05月05日 更新

当院は、他の小児科と違い、市外からの受診が多いというのが特徴のひとつでしょう。

ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーに真面目に取り組んでいるつもりですが、それを評価されてのことであれば、嬉しく思います。

よく街の交差点などデカデカと医院の大きな看板があるのを目にします。不景気なので企業の看板は減っていますが、医院の看板だけはやたらと目立ちます。当院は、宣伝には力は入れていないので、看板はひとつも出していません。電柱に貼ってあるような小さな看板すら出していません。一生懸命診療していれば、看板の必要性は感じていません。

先日、某市から小学校中学年の患者さんが受診されました。既にアトピー性皮膚炎と診断されていましたが、良くならないというのが当院を受診された目的でした。

この市から受診される患者さんは多いですが、だいたい反対側のN市の皮膚科を受診されることが多いようです。普通、小児科でダメなら皮膚科を受診することが多いでしょうし、医院を転々とされることも多いでしょう。大きな街の“有名”な皮膚科を受診されるのは“患者心理”なのでしょう。

腕の皮疹を診て、少し驚きました。腕やお尻にかなり色素沈着が見られていたからです。当院でもかなり重症なアトピーを診ていますが、ここまでの色素沈着は珍しいと思いました。

皮膚科にかかっていても、アトピーなのにアトピーと診断されていないケースさえあります。さすがにアトピーと診断されていました。これまでステロイド軟膏が使用されていました。多くの方が色素沈着の理由を「それはステロイドの副作用だ」と思うと思います。

専門医の間では、ステロイドの副作用で色素沈着は起こさないというのが常識になっています。多くの一般の方が誤解している部分です。では、なぜ色素沈着が起きてしまったのか?。

「治療が適切でなかったから」、それが私の出した答えです。

実際、皮膚が炎症を起こすと、その防御反応としてメラニン色素が生成されると言われています。アトピーの場合は慢性疾患なので、キチンと治療していなければ皮膚が黒ずんでしまうことがあるのです。

お薬手帳を見ると、いつも同じ薬が出されていました。要は皮膚の炎症を抑える治療がなされてこなかったがために、色素沈着を生じてしまったのでしょう。患者さんにより、色素沈着を起こしやすい、起こしにくいというのはあるのだろうと思います。もしかしたら、症状を改善させるに充分な治療がずっとなされてこなかったために、そうなってしまったのだろうと思います。

ガイドラインに載っている、「1か月程度治療しても改善がなければ、小児科か皮膚科のアレルギー専門医に紹介する」という“決まり”があるのですが、それが守られていれば色素沈着は生じなかった可能性もあります。残念ながら患者さんの改善を願う、「良心的」な医師っていうのは、とても少ない気がしています。

地元もそうですが、名前が通っている医院が腕が良いかと言えば「そうじゃないよな」と思うケースはとても多いように思います。いつも言っているように、患者さんが「お医者さんに全てお任せする」という時代は終わっています。

今回のような患者さんを減らすことが大切だと思います。何度通っても改善が思わしくなく、説明も充分してもらえないようであれば、「この医師はどれだけうちの子を良くしたいと思っているのだろうか?」と疑ってみた方がいいとすら思っています。