ゴールデンウィークが終わりました。
後半の4連休は、新潟は天候に恵まれませんでした。学会の発表の準備もしなければなりませんが、まだ時間があり、つい日頃からしそびれている家族サービスを優先してしまいました(汗)。
天気が悪ければ、“室内”で遊べるところを考えます。最初の2日はトミカ博、日帰り温泉に出掛けました。実は、5日(土)は唯一天気が良かったのです。その日が何と休日診療所の仕事が当たっていて、朝から夕方まで仕事でした…(涙)。GW最終日の6日は遊び足りなかったので、嵐の中を長野県の室内プールまで足を伸ばしてきました。
連休中の休日診療は、結構混雑していました。インフルエンザが一部残っており、あと胃腸炎が多かったです。それ以外は、風邪と思われる発熱の患者さんが目立ちました。助かったのが、休日診療所に患者さんが集中するということで、昼間は内科の先生と2人体制で診療ができたこと。私は子どもの診療に専念できたのは有り難かったです。
休日診療所は、言い方は悪いですが、発熱や嘔吐の急性の症状を対症療法でしのぎ、また休み明けにかかりつけでよく診てもらう、という位置づけなのだろうと思っています。実際に行なえる検査も限られており、診断の確定までは難しかったりします。
もちろん、入院加療が必要と考えれば、その時点で当番病院に紹介しますが、そこまででない患者さんが多いので、休み明けにかかりつけ医に行って診てもらうという原則になっています。
当院は、アレルギーの患者さんが多いのですが、問診票の「咳」という文字につい反応してしまいます。「咳」は風邪で出ることもあれば、ぜんそくが原因のこともあります。つい、お節介の気持ちが湧いてきます。
当院に「咳が止まらない」と言って来れれる患者さんの多くは、他院で既に診療を受けており、風邪とかマイコプラズマなどと“診断”されていますが、ぜんそくが見逃されています。かかりつけ医の診療に不満のある患者さんだけが、当院に来てくれるのであって、「咳は長引くもの」と思い込み、かかりつけ医の“診断”を信用し続けていると、“誤診”に気付かず、いつまで経っても咳の原因は分からないことになります。
いつも言うように、治療して改善が思わしくなければ、専門医に紹介するのが筋ですが、まずそんなことはされていません。ぜんそくと診断されるべきなのに、延々と風邪薬が出されており、自然の経過で症状がゆっくりと落ち着いているということを繰り返されている患者さんは、多いのです。
医師の「診断能力」で咳の続く、続かないはどうにでも変わってしまうのです。もちろん、重ければほとんどの小児科医がぜんそくの診断はできるでしょうが、そうでないとかなり見逃されているという印象です。休日診療所は「人助け」のところと捉えていますので、そういう患者さんがいれば、適確にアドバイスをしてあげるべきです。
休日診療の日に数十人の患者さんを診ました。上越地方の患者さんだけでなく、他の県内の地域からとか、あと県外から遊びにきて体調を崩し、受診される患者さんもいます。
その中で5人程、ぜんそくが隠れているのを見逃されている患者さんを見つけ出しました。当院かかりつけの患者さんは、扁桃炎で熱を出したお子さんくらいだったので、すべて他のかかりつけ医で診てもらっていたお子さんです。
ポイントは、私と初対面の患者さんばかりということです。つまり、専門医なら1回の診察で、ぜんそくが隠れているかどうか判断できることが多いということです。何度通院しても、主治医が「風邪」とか「マイコプラズマ」という診断が頭から離れないと、固定観念から“誤診”につながってしまうのです。
昼間の診療だけで5人という数字です。胃腸炎や発疹を理由に受診された患者さんもいますので、5人という数字は決して少なくないはずです。親御さんは、咳が出るとかかりつけ医を信頼して受診する訳ですが、医師の努力不足や判断ミスが原因で、通っても報われない患者さんは少なくないことを表していると言えると思っています。
休み明けにかかりつけ医に行き、「休日診療所で専門医から『この子はぜんそくが隠れているようだ』と言われた」と言うことで、適切な治療に結びついてくれればいいなと思っています。少なくとも私の地元では、咳が長引いても専門医に紹介されることはありませんので、お子さんの見出されていない病気に気付いてもらうことも、アレルギー専門医である私の役目だろうと思っています。
私自身も何でも分かる訳ではなく、ひとりの小児科医にできることは限られていると実感しています。疑いも含めると、咳の長引く患者さんの中にはぜんそくが意外と多く含まれており、特に専門でない医師には判断が難しいというのも事実であろうと思っています。その「事実」を親御さんに知って頂くことも大切な啓発活動だと考えています。
なお、ひとり口の周りに湿疹があり、どう考えてもアトピー性皮膚炎と判断される患者さんもいました。このお子さんは関東の方でしたが、当たり前のことですが「診断できない医師には治療もできない」はずですから、地元の専門医に診てもらった方がいいとアドバイスしています。
受診する患者さんが多いと、効率よくテキパキと診察する必要がありますが、“誤診”しては元も子もありません。冒頭に述べたように唯一の晴天の日を休日診療所で過ごした訳ですが、ある意味で充実した時間を過ごせたと言えるのだろうと思っています。


