小児科 すこやかアレルギークリニック

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病院からのお知らせ

役得
2012年06月06日 更新

当院は、真面目に診療に取り組んでいるつもりです。

この場で書いているように、医師のやっていることにはかなりの差があります。本来なら同じ診断や治療方針になるにもかかわらずです。

上越の地で開院して4年半以上経ちますが、他院で治療しても良くならないという患者さんが当院に相談に来られることが多い毎日が繰り返されています。「マイコプラズマと診断され、何度も通っても症状が改善しない」とおっしゃる患者さんは結構います。

いつも言うように、治療しても良くならなければ、診断が間違っていることを疑わなければなりません。咳の長引く患者さんだと「マイコプラズマの診断が間違っている可能性がありますね」と言うと、マイコプラズマにはインフルエンザのような短い待ち時間の間に陽性か陰性かを判断できる検査キットがあるのですが、「じかに検査結果を見せてもらった」とおっしゃいます。

「いえいえ、その検査キット自体の信用性が低いのです」と言うと、「えっ、そうなんですか」となります。

昨年、愛子さまが熱と咳という症状で東大病院に入院した時も、東大病院の発表は「マイコプラズマ肺炎の疑い」でした。東大病院でさえ、診断の確定が難しかったのに、「マイコプラズマです。点滴しないと治らない。」と言い切る開業医もいますが、胡散臭いと感じて欲しいのです。

当院は、マイコプラズマを疑っても、内服治療で治療しています。点滴の必要性を感じることはほとんどありません。医師によっては、自分に都合のいい治療法を選んでいるとしか考えられないのです。

市内の総合病院は、この検査キットを元に診断していません。当院も、その検査の当てにならなさは充分理解しているため、その方法は用いていません。一部ですが、それを根拠に診断している医師がいるのです。

同じ患者さんを診ても、医師の言うことが異なれば、患者さんは戸惑います。昨日も言ったように、小児科がごく普通に扱う感染症でさえも、医療が「宗教化」しているのです。

マイコプラズマにしても、医師は根拠のある医療をすべきです。正しい診断法は教科書に書いてあることですから、やる気があればすぐにチェックできることです。食物アレルギーについても「食物負荷試験」を実施しておらず、さまざまな診断が我流になっているようです。

これまで自分のやり方でやってきて、何も困らないので、ずっと踏襲しているのかもしれません。しかし、診断が間違っていたり、負荷試験をせずに患者さんは「あれも食べられない、これも食べられない」と言われ、過剰に除去されています。医師は困らなくても、患者さんは多いに困り果てているのです。

今日になりますが、仕事が終わったら、市内の小学校にエピペンの使い方に関する話をしに出掛けます。

普通、小児科医は、小学校に出向いて話をすることはあまりないでしょうし、学校の先生方も「医師が間違うはずはない」と思っていることでしょう。地元の医療レベルを上げるには、医師の間に診断や治療において技術的な格差が大きいことを知って頂くことから始める必要があります。エピペンの講習の中で、そういうことも少し触れようと思います。

そういう意味では、役得なのかなと思っています。