本日、診療が終わったら、市外の小学校に向かいます。
その小学校には、当院でアナフィラキシー時の緊急対処のためエピペンを処方したお子さんが2人在籍しており、重症な食物アレルギーの患者さんを預かって頂いているため、私としても「いざという時にはこうして使って下さい」とお願いに行かなければなりません。
特に小学校では、養護の先生もエピペンは預かるものとご理解頂いており、私の意向をお伝えしたら、学校側も預かってみたものの、やはり食物アレルギーやエピペンに関する知識は十分でないでしょうから、私がお話をしに行くことが決まりました。それが20日なのです。
私も研修医の頃は、先輩の医師から学会発表をするよう指導され、発表を行なっていました。人前で話すことが苦手などの理由で、やりたくなかったと言うのが本音ですが、これは若手の医師には避けられない道と言えましょう。いい論文を書いたり、いい学会を発表することは、医師の価値を高めることであり、周囲の評価になったりします。
開業医は、若い頃は誰も勤務医であり、勤務医時代に学会発表など学会活動をやり、開業すると診療に専念という形で、一線を退くというケースが多いと思います。
一般的に、病院の方が設備や病院の性格上、研究がしやすいと言うことがあるようです。開業医は小さな診療所のため、必要最小限な設備しか持たず、研究に向かないという考え方もあるでしょう。
病院と開業医では、やはり病院の方が敷居が高いようです。となると開業医は、発症間もない患者さんを大勢診ることができるという、病院にはできないメリットがあると言えます。
実際、あるアレルギー専門医の先生が、春のアレルギー学会で重症なアトピー性皮膚炎の患者さんに対し、入念に指導し、治療をすることにより患者さん、親御さんのQOL(生活の質)が上がったという立派な成果を発表され、好評だったそうです。ちなみに、この先生は勤務医時代も有名な先生でしたが、開業後も学会活動はエネルギッシュにされています。私の目標を実践されている先生と言えます。
私の場合、小児アレルギーの分野で有名でも何でもありません。毎日アレルギーの子ども達を診ることができるというメリットに引かれ、開業を決意した訳ですが、医療レベルを下げるとか、学会活動も止めてしまうなんてことは考えませんでした。
勤務医時代よりは、はるかに多くの患者さんを診て、年に数回の学会発表も自らに科し、医師としてやるべきことは妥協せず、診療のクオリティは下げないように努力しているつもりです。勤務医時代は、病院に小児科医が複数いたため、時間的余裕もありました。今の方が、朝から晩までどっぷりと診療に浸かっていると思います。時間の余裕なんて、以前よりはないと思っています。
勤務医時代も何度か講演を頼まれたことがありましたが、逆に上越という地で、腰を据えて診療することを決意しました。私の持つ専門的な知識を還元することで、地域貢献ができると思っています。
私の最も力を入れている食物アレルギーの分野で、旧態依然とした指導を行なう医師が多い中、「食物負荷試験」の存在や、エピペンを含めたアナフィラキシー時の対応を知って頂く努力をしています。積極的に外に出向き、話をしています。こういう院外活動は今年に入って、数えてみたら17回目です。ちなみに、今日からの10日間で講演が3つ入っています(汗)。
開業して学会活動も休止し、医師としての腕が錆び付く医師もいるでしょう。そうはなりたくないし、現実問題としてそういう医師がいるから、アレルギーであれ、その他の分野であれ、医師の言うことが異なってしまうと言えます。努力不足により、患者さんに申し訳ないことをしているのです。
忙しいことを理由に、診療だけをしていたら、独りよがりの医療になってしまう可能性は大いにあると思っています。院外活動で、人前で話すことをやっていれば、下手なことは言えないため、調べて確認しつつ、根拠のある内容を話すことにつながります。
地元は、特に医師の言うことが異なることが多いため、医療レベルを上げるためにも積極的に外に出て行かなければならないと思っています。


