感染症が減ってきても、忙しい日々を送らせて頂いています。
ぜんそくのお子さんの調子がイマイチのようです。ここ1か月くらい、当院でぜんそくの治療をしていて、一旦治療を休止していたお子さんが、「また咳をし始めた」と受診されるケースが多いのです。
中には、久々当院を受診される患者さんもいます。昨年の秋以来の受診の方もいます。つまり半年ぶりということです。それではとどまらず、約1年ぶりに受診される方もパラパラと目にします。
当院は、咳の出やすい患者さんを多く診ているので、発熱や風邪症状もなく、咳が長引いていると、寒暖の差など気候の影響が大きいのだろうと判断しています。ぜんそくは、秋の他、梅雨時も調子の悪いお子さんが少なくありません。
同じ患者さんを診ても、医師の診断が異なることが問題です。他院で“風邪”と診断されて、改善がないために当院に鞍替えされてくる患者さんもおります。当院で「この子はぜんそくが隠れている」と診断して治療を開始すると、今は医学が進んでいますので、当然のように改善がみられます。ぜんそくを風邪と診断されていると、“誤診”なので治療しても良くなるはずもないのです。
当院を初めて受診される患者さんは、実際に治療してみて「医師の実力の差がこんなに大きいものなのか?」と驚かれることが多いようです。でも私からすれば、専門医として当然の判断をしている訳で、それ以前の問題として、患者さんの症状をいち早く改善させるのが小児科医の役目であり、改善もしてないのに同じ風邪薬を出し続けるのは、医師としてのモラルに反していると言いたいのです。
親御さんも、お子さんの症状を改善させてくれるのであれば、医師は誰でもいい訳で、咳が長引けば何か月ぶりだろうと当院を迷わず受診して下さいます。患者さんには“違いの分かる”人になって頂きたいと思っています。
私がその他に“違いの分かる人”になって欲しいのは、それは園や学校の先生方です。
園や学校で咳を長引いていたり、湿疹が通院しても痒がったりすれば、子どもの活動が制限されることもあり、場合によっては、子どもや親御さんにそれについてアドバイスを送る立場にあると思うからです。
養護や園の先生にアレルギーについての講演をする機会もあり、専門でない医師のもとに通っていて改善が思わしくないと、当院を紹介して下さることも増えています。患者さんからすれば、古くからの小児科をかかりつけとして信用しているので、症状が良くならなくても、「医者を代える」という発想がなかなか出てこないのでしょう。その上、同業者から当院へ紹介してくれないため、逆に園や学校の先生方に対し啓発活動を行なうことで、味方につけたいと思っています。
最近は、アレルギーの講演で園や学校に伺うケースが多いのですが、学校側はアレルギーだけ力を入れていればいい訳ではありません。別の課題として、子ども達の発達障害が挙げられると思います。「神経の専門医のもとでADHDの治療を受けている」という話もよく聞きます。
昨年夏に上越市内のある小学校から依頼があり、食物アレルギーの講演を行いました。話によると、今年は市内の神経の専門医の先生が招かれて、ADHDなど発達障害の勉強会を行うそうです。最近は、園や学校でもこういう児の対応も必要とされ、やはり知識を持つ必要があります。申し訳ないですが、私には畑違いで、小児科医ながらよく分かりません。これらについて話せと言われても、無理です(涙)。
私の認識では、上越でこの分野の話ができるのはこの先生しかおらず、他の先生には無理でしょう。適任の小児科医を選んだということは、上越の園や学校の先生が、病気はその道の専門医に診てもらうことが一番という認識をお持ちであることを表しています。
以前なら「とにかくお医者さんに任せておけば」とシンプルに考える方も多かったでしょうが、小児科分野も細分化され、逆に非専門医に任せては大変という発想になってきているのでしょう。
私が上越でより仕事をしやすくなると言うか、私の持てる知識を最大限に発揮できるようにするためには、一人でも多くの患者さんや園•学校関係者の方々に“違いの分かる”人になってもらうことなのだろうと思っています。


