ここ最近触れている感染症の講演が、とうとう今日になってしまいました。
いま、朝の5時で、外はかなり明るくなっています。発表スライドがほぼ完成したところです。
いつもは「アレルギー」モードなのですが、今日まで「感染症」モードです(汗)。今回感染症について勉強し直してみて、自分の知識の足りなさを再認識しました。特にノロウィルスは、こんなに医学が進歩しても、集団発生を抑えることができず、そのしぶとさに驚いてしまいました。
これまで消化器系の伝染病は上下水道の整備により、環境の清潔化によって減少してきたのですが、ノロウィルスに関しては減っておらず、逆に社会問題にもなっています。
これは、ノロウィルスの捉えどころのなさが要因のようです。
まず、ウィルスの中でもサイズ的に小さく、普通の顕微鏡でも見ることができません。そのため、吐物などを早く処理しないと、空気中に俟ってしまいます。それを吸うことで、ウィルスはのどに付着し、飲食すれば小腸に到達し、感染、増殖が始まります。
下痢なら水洗トイレで流せば、遠くに行ってしまいますが、嘔吐も起こしやすいため、吐物は床に残り、他の人への感染源になってしまいます。また、手を流水で洗っても、ウィルスが手のしわの奥に入り込めば、除去できないことになってしまいます。時間をかけた手洗いが欠かせないことになります。
消毒アルコールにも強く、短時間で殺すことはできないそうです。熱にも強く、60度30分の加熱処理でも耐えてしまい、85度1分、70度5分以上の加熱が必要です。よく使われる塩素にも結構強いとされています。-20度で数年間冷凍しても、感染力を保ちます。
感染力も極めて強く、10個程度で感染、発病します。不顕性感染もあるそうです。つまり、胃腸症状が出ないのに、糞便1g当たり1億個以上出していて、知らないうちに周囲の人への感染源になっていることもあるのです。患者さんは症状が消失しても10日間、長いときは1か月程度はウィルスを排出しているそうです。
ウィルスの持つ遺伝子のタイプが多いようで、複数の違ったウィルスに感染してしまう、また腸粘膜の局所的な反応なので免疫も作られにくく、時間が経てば同じウィルスにも再感染すると考えられています。ウィルス自体もどんどん変異してしまうため、以前できた抗体もうまく効いてくれないそうです。
他にもいろいろな特徴を持っており、人類の持つ知識や技術では、太刀打ちできないのでないかと思うくらいです。病院も同じですが、園が学校も集団発生を防ぐ努力を続けなければならず、我々の方が分が悪いと思われます。
せっかく勉強したし、諦めていい訳はなく、注意点として話す必要がありそうです。とりあえず、これが終われば少し楽になります。ラストスパート、頑張りたいと思っています。


