小児科 すこやかアレルギークリニック

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生後27日
2012年11月24日 更新

先日、生後1か月に満たない赤ちゃんが当院を受診されました。

こういう低年齢のお子さんが受診されるのは、当院ではかなり珍しいことです。通常は、総合病院で産まれたのなら、総合病院の小児科を受診するだろうし、産科の開業医で産まれた場合は、まだ小さいということで何かあったら心配と総合病院を受診することが多いように思います。

当院に来られる低年齢児は、生後1、2か月で顔の湿疹で相談に来るケースが多いと思います。この患者さんは、湿疹では来られた訳ではありませんでした。

最初に、「生後27日の子が受診した」と聞いた時は、当院で対応しきれるかどうかちょっと心配になりました。例えば、生後3か月未満の発熱は、入院が原則ですし、いくら小児科医とは言え、1か月に満たない赤ちゃんに出す薬も限られています。当院とは限らず、生後1か月未満の赤ちゃんが風邪を引くこともあまりないため、こういったお子さんが受診されることは結構珍しいことだと思います。

まず話を聞かないことには何も始まりません。

受診理由は、咳と鼻でした。こう聞くと「ああ、風邪だったのね」と思う方も多いかもしれませんが、生後1か月くらいだと、母からもらった免疫のお陰で、風邪すら引かないことが圧倒的に多いと思います。

私の頭にはRSウィルスが浮かびました。母からもらった免疫は、RSウィルスに限っては効果が期待できないのです。話を聞くと、痰もやや絡んでおり、より一層怪しいと思いました。かなりの確率でRSウィルスが出るだろうと考えました。

結果は、陽性。つまり、RSウィルスをどこからかもらってしまい、発症してしまったということです。

RSウィルスは低年齢であればある程、かかって欲しくない病気です。痰が気管に詰まってしまい、呼吸困難を引き起こすこともあります。死亡例も報告されています。ただ、かかった子のほとんどが入院するかと言えば、そうでないこともあるのです。

当院では、生後1~3か月のRSウィルスの赤ちゃんは何度か診ていますので、この子が最低年齢でしょう。小さければ小さい程、体力もなく、気管も細いため、呼吸困難が心配になります。かと言って「入院が必要か?」と考えると、その時点ではそうとは思えません。

こういう場合は、冷静に判断し、説明することが大切です。赤ちゃんのやるべきことを考えると「遊ぶ、食べる(飲む)、寝る」の3つができれば100点満点をあげられると思います。この子はどうかと考えると、機嫌もよく、飲みも落ちていないのです。

タイミングが悪く、受診したのが土曜でした。土曜の午後と日曜は当院はやっておらず、その間に急変があれば対応ができないことにあります。RSウィルスの感染と分かっており、起きるとしたら呼吸困難で、息苦しくなり、飲みも落ちてくるはずです。そうなったら、病院の先生にも申し訳ないですが、夜でも病院を受診して頂くしかありません。

心配しつつも、週明けに再診して頂くことにしました。休み明けに再診して頂きましたが、かえって咳と鼻症状は減っており、改善傾向であることが分かりました。おどかすつもりはないのですが、注意事項として呼吸困難の話をしておきました。

思ったよりも、軽くかかっただけだったのでしょう。受診された時点で、より心配な部分があれば、病院に入院をお願いしていたと思います。やれやれ、という感じです。

こうやって当院では最年少のRSウィルス感染は、無事に乗り切れたました。しかし、少し前にニュースで「RSウィルスが例年になく、多い」と報道されてから、まだ一向に減る兆しが見られません。当院でも結構見つかっています。

なぜ産まれた病院を受診せずに当院を受診されたのかを、お母さんに聞きそびれてしまいましたが、最近は前医で治療しても咳が止まらないと、疑問を感じて当院を受診されるケースが増えています。そういったことかもしれません。

RSウィルスは、1歳以上で検査すると検査費用は医院の持ち出しになってしまうため、疑っても調べない医院さんもあります。そういう姿勢は小児科医として、どうかと思っており、当院は疑わしいケースは1歳以上だろうが、調べるようにしています。

それがウワサとなり、「他ではなかなか調べないけれど、当院なら調べてもらえる」とお母さん方の間で言われているようです。こういう医師による“差”が話題になるのは、望ましいことだと思っています。

何故なら、医師の知識や技術は明らかに「差」が存在し、それがとても大きかったりするからです。「小児科はどこに行っても同じ」ではないのです。

逆に、それを知ってもらうために、敢えて損をしても調べているという側面もあります。

地元では、RSウィルスがまだまだ蔓延しているようです。最大の要因が、感染力が極めて強いというのが挙げられます。それに拍車をかけるのが、疑っても検査されていないケースがあるということです。園に通うお子さんは“1再以上”の子がほとんどのため、RSウィルスの子がいても気付いていない園もあると思います。

マイコプラズマもそうですが、一度流行し始めたらなかなか収拾がつかない感染症がRSウィルスなのだろうと思っています。