小児科 すこやかアレルギークリニック

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最速リベンジ?
2013年03月27日 更新

今月12日から負荷試験を再開し、連日のように実施しています。

卵や牛乳、小麦の負荷が多く、これらに比べたらマイナーですが、ピーナッツやエビ、イカでも負荷試験をやっています。

やはり気をつけているのは、「アナフィラキシーを避ける」ということです。いわゆる診療所ですので、入院施設を持ちませんし、工事現場によく書いてある言葉ですが「安全第一」でしょう。

緊張するのは、過去にその食材でアナフィラキシーがあった場合。初めて食べる場合や、軽い症状がみられた場合よりは、こちらも構えてしまいます。とは言え、いくら過去にアナフィラキシーを起こしたとしても、治ってしまうケースも経験しています。いつまでも食べさせない訳にはいきません。

家で食べて症状が出れば、親の責任となってしまうでしょうが、負荷試験をやった場合は、医師の責任になります。負荷試験が普及しない理由は、多くの医師がリスクを避けたいと思っているのだろうと思いますが、専門医の多くは「リスクをかぶってでも、食べさせてあげたい」と考えています。

いずれにしても、過去に呼吸困難がみられたお子さんの負荷試験は、気が抜けなく、責任も重大です。

先日、3歳のお子さんに牛乳の負荷試験を行ないました。目標は牛乳を200ml飲んでもらうこと、です。

このお子さん、0歳の時に上の子の飲みかけの牛乳が机の上にあったのを、手に取り飲んでしまったのです。その際、蕁麻疹とのどの奥も腫れたようで、呼吸困難もあったそうです。アナフィラキシーショックまでは行きませんが、アナフィラキシーといえる状態です。もちろん、市内の病院を緊急受診されています。

こんな状況では、多くの医師がしばらくは除去を続けるのでしょうが、長期の完全除去は避けたかったし、濃い牛乳で症状が出てしまったので、少なく含む加工品なら食べられるかと考えました。しばらく間を置いてから、食べさせる努力はしていました。

忌まわしいアナフィラキシーから2年半程経っており、お母さんからヨーグルトを少し食べても症状は出なかったという話があったので、「もしかしたら牛乳が飲めるかも」と考えました。

その負荷試験の日が、先日だったのです。

治りにくいアレルゲンとして、ソバやピーナッツ、甲殻類などが挙げられます。これらは大人にみられるアレルゲンで、待っていてもなかなか治りにくいようです。それからすると牛乳は、治りやすいように思います。ただ、調布の死亡事故も牛乳でしたし、近年発達してきた免疫療法も、卵や小麦では有効なものの、重篤な牛乳アレルギーのお子さんでは良い結果が得られにくいと聞いています。

それでも自分の中で「行けそうだ」と感じたので、親御さんと相談の上でリベンジの負荷試験をやることにしたのです。

少量から慎重に進めていきますが、大きな異常は見られません。結局、大きなトラブルもなく200mlを飲み干してしまいました。

こちらも身構えた割りには、予想外?にペロリと完食してしまいました。最重症でなかったので治ってしまったのでしょうが、それなりの重さの牛乳アレルギーが2年そこそこで克服されてしまったのには、私も驚きました。

こういう経験が、私の血となり肉となるのだと思います。このように上手くいくケースも多くはないのかもしれませんが、全てのアナフィラキシーの既往のある患者さんが、必ずしも長々と除去を続ける必要のないということが判明したと言えるのだろうと思っています。

様々なケースがあることを念頭に置き、負荷試験に励んでいこうと考えています。