昨日、小千谷市に行ってきました。
当院からは高速道路を使うとやや遠回りになり、90キロほど離れています。そこを往復し、1時間半近くしゃべるのを2回繰り返すのは、疲れそうなのが想像できると思います。しかし、好きでやっていることなので、思ったほど疲れませんでした。
昨日も書いたように、最初はある高校に行きました。果物を食べて、20分ほど歩いて学校に行ったら、学校に着いた頃にアナフィラキシーショックを起こしてしまった患者さんが通っています。
茶のしずく石けんで有名になった「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」が原因と考えています。かなり稀なケースと言えます。実は、地元の小児科医にかかってはいましたが、この病気を疑われるまで何度もアナフィラキシー症状を繰り返していました。
ショックを起こしたエピソードは中学3年生の時で、今は高校生になっています。通っていた中学校から高校へどこまで情報が正確に伝わっているのかと思いますが、多分詳しくはご存知なかったようです。多くの先生方が、驚きの目を持って耳を傾けて下さいました。
質問もいくつか出て、終わったのが17時45分でした。同じ市内とは言え、18時から次の講演が始まります。普通は校長室でお茶を飲みながら雑談する時間があるのですが、すぐに高校を後にしました。
5分前に会場に着き、それから準備を始めます。設備がなかったのでマイプロジェクター、マイスクリーンの出番です。
今回、これまでになかったことがありました。地元の小児科の先生も参加して下さったのです。こういうことがなかったので、私もちょっと緊張します。
新潟県の場合、食物アレルギーの専門的な知識を持った小児科医は極めて少ない現状があります。にもかかわらずと言うか、これまで何度も講演に出向いていますが、医師が参加してくれた試しがないのです。やはり関心を持った医師が少ないことを表しているのだろうと思っています。でも昨日は違いました。
アナフィラキシーショックの際、エピペンしか効く薬がありません。血圧の低下や、のどや気管といった空気の通り道が腫れて狭くなり呼吸困難が起こりますが、エピペンはそのいずれにも効くとされます。それが第一選択薬である所以です。
これは病院に着いてからの治療となるのですが、アナフィラキシーショックの改善が思わしくなければ、エピペンの成分であるアドレナリンを繰り返し注射することになります。
大事なことがほかにもあり、それは点滴です。これは私も勉強していて驚いたのですが、アナフィラキシーショックの際に、心臓や血管内の血液の3分の1から2分の1が発症してから10分程で血管の外へ漏れ出てしまうとされます。血管内に充分な血液があって初めて、血圧を維持できます。
一気に半分も血がなくなれば、血圧を維持できなくなり、ショック死してしまいます。そうしないために、血管内に早急に水を入れて補うことになります。本を読んでみると、2カ所から点滴をするという方法も紹介されていました。
血液の量は、成人男性の場合、4~5リットルとされます。となると、大人がアナフィラキシーショックを起こした場合、ともすると2~2.5リットルもの血液があっという間に失われる計算になります。調べてみると、血液の半分が失われると、失血死してしまうのだそうです。
実は、幸いというか、私自身はそこまでひどいアナフィラキシーショックの患者さんに遭遇したことはありません。今回参加して下さった小児科の先生に、アナフィラキシーショックの患者さんを診た経験があるかどうか聞いてみました。
その先生はそんなケースのご経験があって、そういう場合は点滴では血液不足はすぐには解消されないため、注射器で押し込むことをやるのだそうです。これには私もビックリしました。
食物アレルギーはそれなりに勉強しているつもりですが、最悪のケースではこんなことも起こり、怖い病気だと再認識しているところです。


