私の知り合いの先生が、先輩医師からこんなことを言われたそうです。
「出る杭は打たれる」という言葉がありますが、これを変えて「杭も突き抜ければ、打たれることはない」というものです。
昨日も触れましたが、医師の足に引っ張り合いと言うものは現実としてあると感じています。私の実力もまだまだですが、地元の患者さんが医師の実力差をしっかり認識し、症状が改善せずに困った時に、どの医師を頼ればいいのかということを理解してもらえるよう、日々努力をしていかなければならないと思っています。
さて、昨日今日とめっきり寒くなりました。冬の到来を感じざるを得ません。
先週のことですが、上越市内の山間部のエリアでインフルエンザのA型が流行り出したという情報を得ました。
新潟県内の小児科医の多くが入っているメーリングリストがあり、この時期に初めてインフルエンザの症例を経験すると「当院で第1号が出たので、近隣の先生は気をつけて下さい」なんて報告があるのですが、今のところないようです。
もしかしたら、上越市の一部のエリアが県内では最も早い流行なのかもしれません。まだ11月も中旬で、インフルエンザのワクチンを1回も済ませていない方もいらっしゃるでしょう。
今後、本格的な流行期に入るのかどうかはまだ何とも言えませんが、例年は1月を過ぎてから流行期に入るのに、かつて12月中に大きな流行を迎えた年がありました。特にまだ1回も接種を受けていない方は、急ぎめで接種を受けた方がいいと思っています。
インフルエンザの予防接種は小児では2回接種することになっていますが、2週間以上間隔をあけることになっています。間は長めの方がいいとされていますので、余裕をもった接種を受けて頂きたいと思っています。
そこで問題になるのが、卵アレルギーの有無ですが、残念ながら専門でない医師がリスクを避けたいためでしょうが、「卵アレルギーがあると、接種はできない」なんて言っているケースが少なくなく、打っても何ともないお子さんが受けられていなかったりします。
昨日の話とも関連しますが、卵アレルギーの疑いのある児が、ある小児科で相談を受けると「うちでは接種できない」としか言わなかったりします。その先生のところで受けたいからそう言っているのに、「接種できない」の一点張りで、「どこどこの小児科なら打ってもらえるかもしれません」などとは絶対に言いません。この連携のなさが、患者さんを混乱に陥れているのだと思っています。
新潟ではないですが、某県では小児科医が大学病院に紹介状を書いて、接種をできるかどうか相談しているくらいですから、小児科医のモラルも都道府県や地域によって大きく異なるのだと思っています。
ちなみに当院では、実際に相談に来られた方で接種をできなかったケースは昨年の1件のみです。
それはインフルエンザのワクチンを10倍希釈して皮膚テストをした上で、あまりにも大きく腫れるようなら、接種は見送り、大して腫れなければ通常通りの方法、そこそこ腫れるなら2回に分けて接種するという方法に沿って行なっています。
昨年、卵のアレルギー検査がクラス6で、先程の方法であまりに大きく腫れたので、見送ったケースがありましたが、今年は「食物負荷試験」で卵の加工品が食べられることは証明しており、接種は可能と判断しています。
何かあると困るので、2回に分けて接種するという方法を取りましたが、問題なく接種できています。リベンジは果たせたと思っています。
これは当院の状況ですが、卵の検査の値がクラス6や5だったり、過去に卵でアナフィラキシーを起こしていたりしていても、慎重に見極めることでどの患者さんもインフルエンザのワクチンは接種できています。
かかりつけから「インフルエンザのワクチンは危険」なんて言われていても、専門医が関われば問題なく打てるケースは多いのだと思っています。残念ながら、医師の知識や病気を防ぎたいという思いには大きな差がありそうです。
「今年は受けさせたい」という方がいらっしゃれば、ご相談頂きたいと思っています。


