小児科 すこやかアレルギークリニック

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おいてけぼり
2013年11月15日 更新

昨日、地元のテレビ局で2局同時間帯に県内の食物アレルギーに関する報道がなされました。

恥ずかしながら、私が両方に出てきて、6日の上越市内の園、13日の三条市で食物アレルギーと、誤食時の対応について講演している様子が流れました。話し慣れてはいるものの、自分の話している姿は見たことがないので、不思議な気分でした(笑)。

私の診ている多種食物アレルギーの患者さんや、今回大きく報道されましたが、アナフィラキシーショックになった小学生のお父さんもインタビューに応えていました。

また、長岡市と柏崎市で相次いで発足した患者会についても紹介されていました。一応サポーター役になっていますが、私自身は集まりに参加したことがなかったので、画面を通して「結構本格的にやってるんだー」と感じることができました。

このニュースをご覧になった多くの方達が、県内の食物アレルギーの大きなうねりを感じられたと思っています。

そんな中、先日1歳のお子さんが当院を初めて受診されました。

数ヶ月前に卵の入った離乳食を食べ、じきに口の周りに蕁麻疹が出て、それが身体の方にも広がったそうです。血液検査で調べてもらおうとある小児科にかかったら「痛くてかわいそうだから採血はしない。家で少しずつ食べさせてみて。」と言われたそうです。

これを聞いて明らかなKY発言にあきれてしまいました。親の気持ちが全く分かってないと感じましたし、これをお読みの方の多くがそう思ったはずです。

当然のことながら、卵を食べさせられるはずもなく、上越市内で流行りだしたインフルエンザのワクチンも心配で受けられず、数ヶ月悩んだ末に当院を受診されたのです。

お母さんの気持ちは、話を聞いてじきに汲むことができたので、採血をすることにしました。お母さんの目から大つぶの涙がこぼれ出ました。私にはやっと自分の気持ちを分かってくれる人に出会えたという安堵の涙と感じました。

上越で診療していて、小児科に多い感染症も含めて、“何が原因か曖昧にしたまま”にする医師が多い気がしています。親は原因が知りたい、しかし医師はこんな感じの対応をしているのをよく見かけます。

ちなみに、今回のケースでは、採血で卵を含めたアレルギー検査をするほか、私なら卵を含む加工品を用い「食物負荷試験」を行う、インフルエンザの予防接種を必要ならテストをした上で接種します。いま、1歳なのでこれからいろんな食材を口にする機会も増えることでしょう。ということで、ピーナッツやソバ、魚卵なども調べることにしました。

かわいそうだから採血しないというのは、詭弁だと感じます。調べない方が親も本人も敵が分からず、どう対処していいか困ってしまうはずです。医師は、食物アレルギーがいかに親にとって不安なものかを再認識すべきです。しかも、非専門医も専門医で言うこと、やることがこうも違うことにも注目して頂きたいと思っています。

県内で食物アレルギーの対応への気運が高まっている中、おいてけぼりを食っているのは、当事者である医師なのかもしれない、そう思わざるを得ませんでした。