小児科 すこやかアレルギークリニック

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一生食べられないと思っていた
2014年02月14日 更新

いま、S市から負荷試験に通ってくれている患者さんがいます。

中学生で、これまで甲殻類、軟体類、貝類をすべて除去していました。

これまでのアレルギー検査で、これらの食品の抗体価が高いという理由でずっと除去していました。かかりつけ医からは「一生食べられない」と言われていたようです。

私が数ヶ月前にS市で食物アレルギーの講演をした際に、たまたま関係者として参加された親御さんが「食物負荷試験」の存在を知ったそうです。

もしかしたら、多くの患者さんが負荷試験の存在を知っても、甲殻類などは大人でも多く、治りづらいアレルゲンとされており、食べることを諦めているケースも結構とあるのかもしれません。

親御さんが「ネバーギブアップ」の精神をお持ちなのでしょう。確かに負荷試験を受けてから食べられないものと諦めるのと、受けずに諦めるのでは、違った経過になるかもしれません。いずれにしても、負荷試験を受けてみたいと考えるに至りました。

当院でもアレルギー検査をやってみました。甲殻類、軟体類、貝類の検査をやりましたが、どれも結構高い値でした。具体的にはクラス3~5でした。

専門家でも治りづらい大人のアレルゲンが、この程度高いと負荷試験に尻込みしてしまいそうです。でも、やっぱりやってみなければ分からないと思い、負荷試験をやってみることにしました。

何も症状が起こらないのがベストですが、症状が出るにしても、意外と食べられるのか、微量でも強めに症状を起こしてしまうのかを確認できます。後者ならエピペンを持った方がいいということにもなると思っています。

そんなことを考えながら、負荷試験に踏み切りました。まずタコからやったのですが、何の問題もなく食べられました。次はイカでしたが、これもクリアです。先日はカキでも負荷試験をしましたが、何も症状は誘発されませんでした。破竹の3連勝といった具合いです。

これまでエビは「怖い」と言っていたのですが、本人もこの3連勝でだいぶ気が楽になったようで、チャレンジスピリットが出てきたようです。今度はエビを使って負荷試験を行なうことになりそうです。

正直、私もこんなにトントン拍子に行くとは思ってもみませんでした。白黒つけるのが役目だと思っていたので、仮に症状が出てもそれは本人や親御さんにもメリットがある訳です。

つまり、本当の除去し続ける必要があり、多分“一生食べられない”というのが本当であるという真の理解を得られるということです。ところが、思いの外と言っては失礼ですが、連戦連勝の状態となっています。

今度こそ症状が出てしまうのかもしれませんが、白黒つけるのは患者さんのためですし、難敵かもしれませんが、エビ、カニに挑戦していこうと思っています。

この3連勝でも立派なものですが、更に食べられれば、似たような境遇の患者さんに大きな勇気を与えることになると思っています。

毎週講演活動を行っており、「分かりやすい」と評価して頂くことも多いのですが、それは実際に私の経験したケースを紹介しているからだと思っています。次の負荷試験もキチンと食べられるかどうか見極めたいと思っています。