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ソックリ!?
2014年07月12日 更新

先日、野球部に所属する10代の男の子が当院を初めて受診されました。

イネ科の花粉症があり、その飛散時期だけ苦しくなるということでした。昨年までは別の病院に通っていました。以前は、夏休みの期間に調子を崩したそうです。

前医でイネ科の花粉に弱いことは証明されていました。私もここまでのケースはあまりないのですが、イネ科のハルガヤ、カモガヤがクラス6でした。

ここでピンときました。私の友人の浜松で開業している川田先生が、同様のケースをご経験されているのです。

やはり野球部に所属している男児が、野球の練習をしていると、呼吸苦など呼吸器症状が出るのだそうです。かかりつけ医でぜんそくと診断され、ぜんそくの治療をしても改善しないということで、当時川田先生が勤務していた病院に紹介されてきたそうです。

多くの医師がやっていないのですが、「呼吸機能検査」を実施されています。この検査は、胸に貯めた空気を一気に機器に接続された筒に吹き込むというものです。ぜんそくで気道が狭くなっていると、勢いよく吹けないため、通常より低い値を取るのです。この検査が異常のないことが確認されており、更に、「運動負荷試験」、「気道過敏性試験」も施行されています。

野球の練習中に具合が悪くなっているので、“運動誘発ぜんそく”が起きているようです。であれば、運動させて「呼吸機能検査」をやれば、安静時は異常がなくても、運動時は低い値になるのではないかと考えるのが「運動負荷試験」となります。これも異常はありませんでした。

更に「気道過敏性試験」とは、発作を起こしやすくする薬を吸入させ、発作を起こさせるものですが、ぜんそく患者さんなら異常値を取り、ぜんそくでないなら発作を起こさないので、異常値は取らないというものです。要はぜんそくかどうかを見極める検査ですが、これすら異常がなかったそうです。

これまでをまとめると、この患者さんは、ぜんそくではなく、故に運動誘発ぜんそくも起こしておらず、だから前医のぜんそく治療が効果がないと判断できます。珍しいことに、イネ科の花粉により呼吸器症状を起こしていたというケースでした。

中学生で、野球部に所属しており、イネ科の花粉症があり、呼吸器症状を起こすとなると、その部分は先日当院を受診した患者さんとソックリと言えます。

ぜんそくの診断は、問診がかなりのウェイトを占めます。慢性の体質に基づく病気なので、いきなり発症ということはあまりなく、ぜんそくを思わせる症状が時々見られているはずです。風邪を引いてゼーゼー言ったとか、体育の時間に走って息苦しくなったなどの症状が見られるはずです。

私のケースでも、まずぜんそくを考えました。10年以上生きていれば、そういうヒントが隠されているはずですが、お母さんや本人にいろいろ聞いてみましたが、何もありませんでした。

ここまで見ると、なおさら川田先生のケースと酷似しています。かなり珍しいケースとソックリなため、検査の進め方も参考になります。

当院は、「気道過敏性試験」はやっていますし、「運動負荷試験」も何とかできる設備は整っています。まず、「呼吸機能検査」と思いました。

結果は、気管支の細いところを表す部分が52%でした。ぜんそくがなければ、これは100%前後となりますので、初めて異なる部分が明らかになりました。川田先生のケースは異常がなかったということですが、私のケースは“ぜんそくの可能性が極めて高い”という結果だったのです。

相当珍しいケースではないかと一時は色めき立ちましたが、片やぜんそくでない、片やぜんそくであろうと大きな差が出ました。病気が違えば、もちろん治療も異なります。

私の仕事は、患者さんの症状を改善させることなので、ぜんそくならぜんそくの治療を進めていくことになるのですが、少し不思議なのはぜんそくらしい症状がこれまでなかったこと。

検査はそうでも、症状を繰り返していなければ、ぜんそくとは診断してはいけないのかもしれません。その辺をよく考えながら、原因検索と治療を進めていかなければと思っています。