今月末の全国学会での私の講演が近づいてきました。
私も含め、食物アレルギーの部分は3人の小児科医が話すのですが、メールでやり取りしています。つまり、同じような話をしても聞く側は退屈でしょうから、多少の重複は仕方ないでしょうけれど、その辺りのすり合せをしたりしています。よく学会で顔を合わせて、私も知っている先生なので、話もスムーズにやり取りできます。
食物負荷試験は、アレルゲンを食べさせるという一歩間違えば危険な結果につながる可能性があります。ですから、多くの医師がやりたがらない訳です。多くの専門医が、そういったリスクをかぶってでも食べさせたいと願い、負荷試験に取り組んでいますので、そういう先生達は困っている患者さんにいわゆる“3分診療”なんてしないことと思います。
3分」いや「1分診療」をされたなんて話はよく聞きます。誤診されておかしな薬が出されていたり、「手に負えないのに、専門家に紹介しないような医師も少なくありません。世の中にはそういった医者と、志の高い医者がいることを患者さんに知ってもらうことが、正しい医療を受ける第一歩であると思っています。
先週の水曜も昨日も、下越地方の市へ伺って、食物アレルギーの講演をしていますが、適切な医療を受けられていない患者さんが少なくないようです。ちょっと気になるのが、アナフィラキシーを起こしていてもエピペンすら処方されていなかったり、体重が軽いせいでエピペンは処方できないものの、アナフィラキシーの原因精査が中途半端になっていて、あげくに「日中、家で食べさせてみて」なんて言われたりしています。ハッキリ言ってしまえば、恐るべき医療レベルだと思います。
やはり「食物負荷試験」が“隠蔽”されていることが多いです。日本は国民皆保険で、どの医者にかかってもハイレベルの医療を受けられることが「建前」になっています。ところが、食物負荷試験の存在を説明され、負荷試験を受け、安全に制限を解除できる患者さんがいる一方で、負荷試験の存在すら聞かされず、一人で悩んでいる親御さんも少なくありません。
ですから、実際のところはあくまで「建前」であることが分かります。医者の都合でどうにでもなる、のが現実なんだろうと思います。日本の医療制度は破綻しているじゃないかと思うのは、こういう部分が目につくからです。私は、医者が誤診したり、適切でないことをしても、ペナルティも何もないのはどうなんだろうと思っています。
ちょっと話が逸れました。学会に備えて、当院のこれまでやってきた負荷試験のデータを入力しており、ほぼ終わったと書きました。また新たなデータを入れ始めました。
それは、当院を初めて受診された年月日のことです。
負荷試験を実施した年月日は既に入力してありますから、初診してからどれくらいの後に負荷試験に挑戦したかが分かります。当院の最短だと、翌日に負荷試験にこられたケースもあったように思いますが、この春は2日後に来られた患者さんがいました。
まだ一部しか入力していませんが、当院を受診されてじきに負荷試験を受けている実態が明らかになりました。一つの見方でしょうが、食物負荷試験という方法が認知されていないことを表しているのだろうと思います。認知してもらう役割を担っているのは医師でしょうから、やはりそういうことなのでしょう。
時間が限られていますので、何でもかんでもデータ入力できる訳ではありませんが、いろいろと考え、聞く方々に当院の負荷試験の実態がより伝わればと思っています。


