今はネット社会。ヨーロッパにいようが、日本の情報は入っています。
ネットで見たニュースなのですが、大病院は紹介状がなければ、患者さんの負担を増すというものでした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140812-00050009-yom-soci
要は、軽い病気は診療所で診て、重い病気は大病院で診るべきということです。確かにおっしゃる通りです。
ただし、ちょっとツッコミどころはあるように思います。
つい、私の力を入れている食物アレルギーの話になってしまいますが、大病院がどこも食物負荷試験をやっているかと言えば、そうとも限りません。ほとんど行われていない県もあるでしょう。少しはやっていても、県全体でやっている負荷試験の合計が当院の1年分を下回っている県もいくつかはありそうです。
大病院だから専門的な医療をやっているかと言えば、そういう訳でもないと言えそうです。当院では微量でアナフィラキシーを起こしてしまうような患者さんも診ており、「大病院」だからということではなく、専門の医者が専門的な医療をやっているかどうかがポイントなのだろうと思っています。
ですから、役割分担はよく分かります。ただ、当院は例外的なのかもしれませんが、開業医であっても専門的な医療をやっているところに患者さんがスムーズに行けるような対策をとるべきなのです。
実際、食物アレルギーの患者さんが大病院に紹介状を持って受診された時に、大病院から当院を薦められて受診している患者さんもいるくらいです。
患者さんの負担を増やすのもちょっと違う気もします。例えば、開業医が「これくらいうちでも診られる」と考えて、ずっと開業医で診ていたとします。結局何ら改善せず、「やっぱり大きな病院で診てもらわないと」と患者さんが判断して、大病院を受診された際に負担が増えるのはおかしな話ではないでしょうか?。
自院の患者を減らしたくないと考える医師もおり、紹介状を書きたがらない医師もいるようです。いつも思うのですが、おかしなことをした医師にペナルティーも何もないのは、ちょっと合点がいきません。
食物アレルギーは、1年半前の死亡事故以来、社会的にも注目されていますが、なかなか専門医の診療を受けられない患者さんも多く、それには紹介したがらない医師が少なくないことも影響していると考えています。
食物負荷試験を知っていても存在すら知らせず、除去一辺倒で専門医に紹介すらしなくても、問題にすらないことが問題なのだろうと思っています。
大病院の医師に納得のいく医療をしてもらい、それ以来その医師しか信頼できなくなり、またかかりたいと思っても負担増にするのは、問題がすり替えられているように感じています。
国民皆保険制度は、どの医療機関でも同等のハイレベルの医療が受けられることが売りなのでしょうが、それが破綻していることを暗に認めているように感じています。ということは、ハイレベルの医療を受けたければお金を余計に払いなさいと言っているのと同じなのかなと思っています。
ただし、大病院でもレベルの低い医師もいて、開業医でも百戦錬磨の医師もいます。患者さんがよい医療を受けるためには、紹介したがらない医師の存在などもあり、スムーズにいかないことも多いようです。
最終的には、患者さんがよく調べた上で、専門的な医療を受けられるように努力しなければいけないということなのだろうと思っています。


