小児科 すこやかアレルギークリニック

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「分からなくなった」
2014年09月01日 更新

昨日の22時半に自宅に到着しました。

外来小児科学会は私は今回が初参加でしたが、こんなにも小児科医がいるものかと思うくらい、盛況でした。

気付かなかっただけかもしれませんが、あまり新潟県からの参加者は見かけませんでした。ちなみに発表も、私のほかは新潟県からは1題のみのエントリーだったようです。正直、停滞感を感じてしまいます。

昨日は、午後1時から私の出番でした。朝9時からアレルギー関連の講演があったので、聞きに行きました。それに先立ち、発表スライドをスライド受付に提出します。

私はMacユーザーですが、ごく一部の人が使っているだけで、世の中はウィンドウズが主流です。同じパワーポイントというソフトでも、結構文字にズレが生じています。スライドのほぼ全ページに修正が必要で、少し大変でした。そんな理由で、ちょっと遅刻してしまいました(汗)。

今回は、小児科医の学会なので、何もアレルギーだけという訳ではありません。お昼は夜尿症の話を聞いてきました。

あっという間に、私の出るセミナーの時間になってしまいました。あとで聞いたのですが、アレルギー関係はやはり人気があるようで、lこの学会においても早く席が埋まる傾向だったそうです。

遅刻しないよう、慌てて移動し、別の会場に行きました。予想通り、満席でした。井上先生、福岡先生という有名な先生がお話しするので、やはりみんな聞きたいのでしょう。

私は3番手でしたので、お二方の先生の話を聞いていましたが、井上先生は膨大なスライドをマシンガントークで話され、福岡先生は穏やかな語り口で科学的根拠に基づいたお話をして下さいました。

そんな感じだったので、私はちょっとやりづらかったのですが、自分の用意したスライドに沿って話すしかありません。自分は自分の話しかできなのです。

今回、30分の時間を与えられました。時間が余るのも格好悪いので(笑)、スライドは65枚用意しました。少し飛ばし気味に話せばちょうどいいかと思いました。

さすがに何百人ものドクターの前で話す機会はほとんどなかったので、ちょっと緊張はしましたが、いざ話し始めると気にならなくなってしまいました。

最初の方に、なぜ食物負荷試験が普及しないのかについて触れました。時間が取れない、リスクがあるなど、危険を背負って負荷するには割りに合わないという気持ちもあるようです。次に負荷試験の実態調査についてお話ししました。先日も触れましたが、負荷試験をやるアレルギーが専門でない医師が増えているようだと付け加えました。

最近は必要最小限の除去が基本となっており、逆に完全除去は望ましくないと言われています。アレルギー検査の数値が、例えばクラス2だと症状が出る確率が何%というようなデータはあるのですが、目の前の患者さんが食べられるのか、食べられないのかは食べさせてみないと分かりません。

しかも、当院は加工品から食べさせているので、卵1個を食べられるかどうかのデータは使えないことになります。そこで加工品から食べさせる、リスクの少ない負荷試験の取り組みについてお話を続けました。結局、食べさせてみなければ、八方ふさがりになってしまい、前に進めないのです。

クラス4、5、6といった高値であっても当院で負荷試験をしている割合は、加工品での負荷の3割を占めています。「クラス5や6だから完全除去が当たり前」という考え方は正しくないと強調しました。一般的にはリスクの高い、無謀とも言える負荷試験と捉えられがちですが、私はそんなすごいリスクを背負っているとは思っていません。

加工品を使えば、負荷試験で症状の出る確率が減り、食べられる確率が上がります。しかも親御さんも食べられる幸せを感じて下さいます。たとえクッキー程度の卵を少量含む加工品であっても、親御さんにとってみれば“卵を食べられた”ことには代わりありません。

前にかかっていたドクターからは「食べてはいけない」と言われると、食べさせようにも足がすくんで前に進めないのだと思います。タイヤで言えば、最初のひと転がしが重要なんだとお話ししています。

そんな話を当院の負荷試験の結果を提示したりしながら、話していたら30分経ってしまいました。私は一生懸命話をしましたが、周囲がどう思うのかは周りが決めることです。

いくつか質問が出て、それにお答えし、私の任務が完了しました。私が講演することを人選して下さった先生から「先生にお願いしてよかった」と握手を求められましたので、それなりの責任は果たせたのかなと思っています。

その後、何人かの先生が私の元に来られ、「負荷試験をやろうと思った」と感想を述べる先生もいらっしゃいました。またある先生からは「アレルギー検査って一体なんなのか分からなくなった」と言われました。

例外的かもしれませんが、クラス5や6でもバンバン食べているという私のデータを見て、そう思って下さったようです。そうです、私も分からないから、実際に食べさせてみる負荷試験を行なっているのです。

それにしても、アレルギー検査が分からなくなるというご意見が出たということは、私の「アレルギー検査の結果だけで食べられる、食べられないの判断はできない」ということを知って頂く作戦は上手くいったのかもしれません。

何人かの先生から前向きな言葉を頂きました。地元に戻って、私のデータも含めて明日からの診療に役立てて頂けたら幸いです。