小児科 すこやかアレルギークリニック

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生活管理指導表
2014年10月29日 更新

昨日の夜、仕事が終わったあと、近所のホームセンターのペット売り場に行きました。

いつもと雰囲気が異なり、入り口を入ると、白い発泡スチロールの箱が20個以上2列に並べられていました。

見ると、金魚フェアを開催するようで、発泡スチロールの箱の中に様々な金魚が泳いでいました。すべての箱をのぞき、「これ、欲しいな」と思ったものを飼おうとしたら、「フェアは明日(29日)から」と言われてしまいました…。久し振りに胸が高鳴りました(笑)。

最初は金魚しかみていなかった、というか目に入らなかったのですが、犬などの他のペットもいつもよりは品揃えが多く、これもフェアの一環のようです。飼いませんが、小型犬も可愛く、「いいな~」と思ってしまいました。

ただ、目が飛び出しました。20~30万する犬がいたのですが、パッと見で一番高いのは消費税を入れると90万円台でした。「飼う人、いるのかしら?」と思ってしまいました。

昨日の続きですが、当院から100キロ程離れた街から食物アレルギーの相談に来られた患者さんの件です。

エビを食べていたにもかかわらず、学校の給食で食後に顔が赤くなったことを理由にエビとカニの除去する羽目に陥ってしまいました。ここは冷静に「本当にエビとカニを除去する必要があるのか?」ということを考える必要があります。

エビやカニは大人に多いアレルゲンで、なかなか治りにくいものです。ここで「本当に食べられないのか」ということをハッキリさせておかないと、一生食べられないものと諦めてしまう可能性があります。除去する必要のないものに対し、一生怯え続けるのは気の毒ですし、小児科医なら是が非でも避けなければなりません。

私も無謀な負荷試験はしていないつもりです。今回に関しては、親御さんが除去に納得されていないため、やはりシロクロをつけてあげる必要はあるのです。

だいたい患者さんは受診時に手持ちの資料を持ってこられるのですが、よくあるのはアレルギー検査の結果です。これは私も確認しましたが、エビもカニもクラス2でした。私から言わせれば、クラス2くらいでも負荷試験で食べられたケースは何度も確認しており、それで食物アレルギーの診断確定はちょっとおかしいと思います。

もう一部紙がありました。それは学校生活管理指導表でした。

これは、文科省が2008年に公表した全国共通書式のアレルギー診断書と言えましょう。

実は、専門医と専門でない医師の書き方に大きな差があります。というか、そもそも記入することを拒む医師もいるようです。理由は「時間がかかり面倒くさい」、「書き方がよく分からない」、「お金にならない」などは聞いたことがあります。

つまり、食物アレルギーに理解があれば、医師のプライドにかけて正しい診断書を書こうと思うのでしょうが、理解がないとこんな耳を疑うような理由で書きたがらない医師が存在するようです。

以前も書きましたが、注目すべきは診断根拠です。①明らかな症状の既往、②食物負荷試験陽性、③アレルギー検査等陽性(実際はIgE抗体等検査陽性)のうち、当てはまる数字を枠内に記入するのですが、解説すると①は因果関係が明らかということであり、②はプロが因果関係を証明しています。一方③は検査が陽性なだけで、食べられるか食べられないかは二の次になっています。

診断根拠の欄に①や②が見当たらず、③しか書かれていなければ、医師の診断精度は高くない可能性があります。今回のように学校給食で食後に赤くなったという情報を鵜呑みにして、検査がクラス2だから除去としている訳です。正しいかもしれないけれど、正しくないかもしれない。専門でない医師は、ここで判断が“終わり”ですが、私なら負荷試験をしてシロクロつけようと考えます。

簡単に言ってしまえば、②という数字があれば診断精度は相当高いと言えましょう。

私は他の医師が書いた学校生活管理指導表を見ることはほとんどありませんが、今回の患者さんは持ってこられました。診断根拠の次の項目は「誤食時に備えた処方薬」なのですが、①内服薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド薬)、②エピペン、③その他となっています。

驚いたことに、今回の診断書には「なし」と書かれていました。口の脇が赤くなった程度ですからエピペンは必要ないでしょうが、通常は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬は処方します。だって食物アレルギーがあると診断している訳ですから、人間はミスをしないなんて有り得ない話で、誤食に備えた薬を処方しない理由が分かりません。

体調や食べる量により、次はもっと重い症状が出るかもしれません。備えあれば憂いなしです。

次の項目は、「学校生活上の留意点」で、給食で除去が必要かどうかを「管理不要」と「保護者と相談し決定」の二者択一で選びます。食物依存性運動誘発アナフィラキシーという病気があり、食後の運動を制限することで発症を抑えられることがあります。運動も「管理不要」と「保護者と相談し決定」から選ぶことになります。今回のケースではないのですが、食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断されていて、運動の項目が「管理不要」と書かれていたケースを見たことがあります。

学校生活管理指導表は、一般の方がみると難しく、取っ付きづらい部分はあるかもしれませんが、分かる人が見れば目も当てられないようなものも存在するようです。敢えて言えば、医師も分かっていずに記入しているような場合もあるものと思います。それをみて学校の対応を考えることになる訳ですが、学校側もチンプンカンプンでしょう。

これをお読みの親御さんで、かかりつけ医から学校生活管理指導表を書かれている方がいらっしゃれば、是非とも冷静になってよく読んでみて下さい。不思議な点があれば、相談頂ければと思っています。