昨日に引き続き、この1年のやってきたことをお話ししようと思っています。
昨日も触れたように、遠く離れた市外からの「食物負荷試験」の希望者が多かったように思います。地元でやっていなければ、やれる医療機関を受診するのは致し方ないところでしょう。
新潟市や新発田市など下越地方から受診されるとなると、有に100キロは超えます。こちらも頭が下がりますし、下手なことはできません。それだけの労力を払って受診されたことに敬意を示さなければなりません。
もちろん、近くから受診した患者さんに手を抜くつもりも毛頭ありません。長岡市、小千谷市、柏崎市など中越地方からも多くの患者さんが負荷のために訪れて下さいました。
今年は例年よりも負荷試験の件数は多かったと思います。300件以上は確実にやっています。
当院がこれまで力を入れてきたのは、やはり頻度の多い卵、牛乳、小麦の負荷試験でした。食べられるようになったかを確認する負荷が中心であったと思います。最近は、もう一歩踏み込んだ負荷試験をやっています。
ひとつは、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの負荷試験。これは開業医ではやり過ぎという感も正直ありますが、新潟県内にはやっている医療機関がほとんどないので、やらざるを得ないのです。
もうひとつは、今年から力を入れているのですが、リスクを図る負荷試験です。調布の死亡事故からも言えることかもしれませんが、その時点で患者さんが微量でアナフィラキシーショックを起こすのか、それ程でもないのかを周囲の大人が知っておく必要があるということです。
完全除去を続けていると、何も起きない訳ですから、そういう状態が続いていると、危機感が薄れてしまう可能性があります。重症であっても時々は「リスクを図る」負荷試験はやった方がいいと考えています。
そういう観点から、親御さんから「この子はピーナッツやソバの数値が高いんだけれど、今度小学校に上がるので負荷試験をやってみたい」という希望に応えるようにしています。正直、これまであまり積極的ではなかったのですが、こういう負荷試験も大事だと思うようになり、今年からこういう負荷が増えています。
いわゆる治りにくいとされるピーナッツやソバ、甲殻類などの負荷試験も取り組んでいる訳です。私の経験上、卵や乳は加工品を用いていることもあり、クラス3や4でもかなり食べられることは分かっていますが、ピーナッツやソバは加工品ではなく、そのものを使い、「直球勝負」していますので、数値が高いと私の方も怖さはあります。
これまでやってきた印象では、これらの大人に多いアレルゲンでクラス3くらいでも、意外と食べられるのかなと思っています。当院の負荷試験のコンセプトは「負けるケンカはしない」ですから、あまりに数値の高いものは避けますが、クラス3や4程度なら挑戦はしていこうと考えています。
負荷試験は「やっています」と公言には、選り好みはしてはいけないと思っています。患者さんのニーズに合わせれば、よほど突拍子もないもの以外はなるべくやるべきでしょう。そういう意味では、今年やってみて、当院の負荷試験の幅が広がったように思っています。
世の中には様々な医療機関があります。ビックリするような低レベルの医院さんもあります。患者さんを守るためには、そういう“事実”を知ってもらう必要もあるのですが、それは今は置いておくとして、当院は年々進化していかなければならないと思っています。
現状に全く満足はしていませんが、今年当院の負荷試験がやや幅が持てたことは良いことだと思っていますし、来年も更に進化を続けていこうと思っています。


