昨日の続きです。
他の小児科開業医の場合であっても、それなりの頻度でアレルギー検査は行なうのではないでしょうか?。少なくと1か月に1回くらいはあるのでは?。
アレルギー検査をやると、体質の強めのお子さんは幾つかの項目が陽性になります。例えば、卵とミルクがクラス2とか3なんてことは見かけることです。
いつも書いていることですが、これだけを持って卵と牛乳にアレルギーがあると判断するのは早計です。卵と牛乳にアレルギーがある可能性があると考えるべきです。何故なら、卵アレルギーは卵を食べてアレルギー症状が見られる病気だから。
私であれば、「卵と牛乳にアレルギーがあるかもしれない。どこまで食べられるのかな?」と考え、早速加工品を使った負荷試験の計画を親御さんに提案します。
負荷試験で食べられたら、最終的に卵焼きと牛乳で負荷試験を行ない、症状が見られなければ「卵アレルギー、牛乳アレルギーはなかった(もしくは治った)」と判断しています。クラス2や3程度であれば、いやもっと高い数字であっても、大抵のケースでは負荷試験を躊躇することはまずありません。
一方、詳しくない医師が診ると、「卵アレルギー、牛乳アレルギーがあるから、今日から完全除去しなさい」なんて話になってしまいます。これまで加工品は食べているにもかかわらずです。
要は、アレルギー検査の結果をみた時点で、専門医は「食べられるところまで食べさせよう」と考えるし、そうでないと「とにかく除去、除去」となってしまい、食べさせようなんて考える余地もないくらいになってしまいます。
アレルギー検査をやれば、すべてが陰性ならそうではないですが、卵でミルクでも、それがソバやピーナッツであろうとも、「食べられるんじゃないか」と思えば、それぞれが負荷試験の対象になります。負荷試験という技術を持っていないと、そういう発想すら浮かんでこないようです。
仮に普通の小児科で1か月に1回はアレルギー検査をやるとすると、年間12人は負荷試験が必要になると思います。ひとり1項目と見積もっても、年間12回の負荷試験が必要になるでしょう。
昨日の冒頭に述べた通り、超有名病院で紹介率が60%で、20回紹介した先生がいたそうですが、多くは1、2回だったそうです。普通の小児科で、おおざっぱな言い方ですみませんが、12回負荷試験が必要だとしたら、10回分は適切に負荷試験が行なわれていないということになるかもしれません。
その陰には、必要があるのに1件も紹介していない医院もあるでしょう。紹介率60%は確かに凄い数字ではありますが、その裏側で本来紹介されるべき患者さんが紹介されておらず、困り果てていると思うと、悲しい気持ちになってしまいます。
診療中に紹介状を書くとなると、時間を取られますし、手間もかかります。そういう意味合いで書きたがらない医師もいるでしょうし、紹介すべき基準も理解していない医師もいると思っています。
負荷試験の充足率が6%あまりという試算がありますが、非専門医も含めて同じ方向を向き、必要があれば紹介状を書いて負荷試験をやってもらうという体制ができあがるのは、夢のまた夢というのが現実なんだろうと思っています。


