小児科 すこやかアレルギークリニック

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アナフィラキシーの1年以内
2015年08月06日 更新

夏休みに入り、毎日のように複数件負荷試験をやっています。

当院の夏期休暇の間はできないので、その前後で希望者に対し、どれくらい食べられるのかを見極めたいと思っています。

先日、卵でアナフィラキシーを起こした0歳の赤ちゃんが当院を受診されました。薄焼き卵を与えて、じんましんが一気に出て、機嫌も悪かったそうです。確か10ヶ月くらいだったと思います。

食物アレルギーのガイドラインには、アナフィラキシーの既往が1年以内にあれば、原則として負荷試験は行わないと記載されています。アナフィラキシーを起こすと分かっている場合、負荷試験は危険ということでしょう。

ところが、当院は負荷試験をやっています。決してルールを無視しているつもりはありません。逆に、食物アレルギーの管理は“必要最小限の除去”と言われていますので、その実践のためです。

これまでは、卵焼きで症状が出てしまえば、卵を一切含む食品は食べてはいけないと指導するのが普通でした。ただし、それまでに卵を少量含むお菓子などを食べていたのであれば、除去する部分が増えてしまいます。「改善」を求めて行うのが医療なのに、「改悪」になってしまいます。

アナフィラキシーなんて起こしてしまうと、本人も恐怖心が増し、親御さんも自信がなくなります。ましてや、かかりつけ医から完全除去を指示されてしまうと、そういうものだと思い込んでしまいます。

私はこれも負荷試験の適応だと考えています。これまで食べていたものがちゃんと食べられることを確認するためで、これも必要なことだと思っています。加工品を使って負荷試験を行っている当院ならではのやり方なのかもしれません。

冒頭の10ヶ月の赤ちゃんの話に戻りますが、こういう患者さんはちょっと困ります。日本のやり方では、負荷試験は原則0歳には行わなず、1歳になってからというのがあります。

私はこういう患者さんにも加工品を使って、何かしらの卵製品を食べさせてあげたいと考えています。とりあえずは、ここはルールにのっとり、1歳になってから負荷試験をと考えています。

ただ、本当にそれでいいのかと思う自分がいます。2月に発表になった0歳時にピーナッツを積極的に食べさせた方がピーナッツアレルギーが有意に少なかったというデータがあるからです。0歳のうちに負荷試験をやった方がいいのではないかと思うのです。

しかし、この患者さんの場合、既に重症な卵アレルギーはあることは分かっています。卵の値が高いだけなら、卵アレルギーが確定ではないので、リスクは決して高くないと考えますが、この場合はそれなりのリスクを伴います。

それでも食べさせ、慣れさせた方が有利になると思っており、ここが混乱しているところだろうと思うのです。

ガイドラインは、多くの医師のためのもので、言い方は変ですが無難なことが書いてあります。アナフィラキシーを起こした1年以内は負荷試験は行わないという“ルール”は破ってしまっていますが、それは間違ったことをしているとは思っていません。

0歳でも負荷試験を行っていいのかどうか、次のガイドラインにはもう少し踏み込んだ記載を期待しようと思います。