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伸び代
2015年11月02日 更新

よく「のびしろ」と伸びる幅をそう言うと思いますが、「伸び代」と書くんですね。「へ~、そうなんだ」って感じ(汗)。

昨日、テレビで20代の女性看護師が東チモールという国で、車で移動し、各地を巡回する出張診療にたった一人の日本人として同行する姿が取材されていました。「東チモール」ってどこかと調べてみると、アフリカではなく、オセアニアでした。教養のなさがバレてしまいます(大汗)。

医者がまだ診るべき患者さんが残っているのに、自分の仕事は終わったと引き上げたり、お腹が減ったから、仕事を中断したりと日本では考えられないようなことが映像で出てきました。

医療レベルが低く、救われない命が多く、赤ちゃんが命を落としても「そんなの気にしてたらしょうがない」と現地スタッフに言われ、その日本人は、まず意識改革から必要だと感じ、継続することで徐々に変化が起きてきたという話もしていました。

水が1日に1時間ほどしか出ず、しかも出る時間も教えられていなかったり、泥の混じったような水が出る、電気の供給もままならないという貧しい国での話であり、孤軍奮闘するその姿に「こんなに立派な人がいるんだ」と感動すら覚えました。

それに比べると、日本は何もかもが恵まれています。それが幸せかどうかは置いておいて、ほぼ全てのことが恵まれているのは間違いなさそうです。

では、日本の医療はどうでしょう?。確かにこれも一昨日のテレビでやっていましたが、心筋こうそくの血管の詰まった部分を風船で膨らませて、血流を良くしたり、石灰化して硬化してしまうと、風船は使えないため、ダイヤモンドの付いた小さなドリルで削り広げるという技術もあるそうです。

日本の医療は、世界トップレベルのものも多く、多くの患者さんが救われているのは事実でしょう。ただ、私の専門としているアレルギーについては、いつもこの場で触れているように「どうなんだろう!?」って感じです。

ぜんそくやアトピー性皮膚炎が“風邪”や“乳児湿疹”と誤診され、延々と誤った治療が繰り返され、患者さんが一向に良くならない姿は、開院して8年、ほぼ毎日複数新規受診の患者さんを診ている私の目には、世界に誇れるものとは到底言えないと思っています。

食物アレルギーは、完全除去を強いたり、アレルギー検査の数値が高かったり、怖くて食べさせられない親御さんに対しても、「家で少しずつ食べさせてみなさい」と自宅負荷を強要したりと、やりたい放題です。食物負荷試験の存在を知っていて、しかも当院が力を入れていることを知っていて紹介すらしないのは、自院の利益やプライドという患者さんには全く関係のないことを考えているこそでしょうから、人間性を疑ってしまいます。

アレルギーは慢性の経過をたどる治りづらい病気ですが、アレルギーに興味を持つ医師がとても少なく、多くの医師がいい加減な対応をしており、それでいて「アレルギー科」の看板を掲げていいことになっています。医師会もそれを黙認しているようで、医療界はよどんでいる部分も少なくないように見えます。

アレルギーの医療は、ベテラン医師は「オレはこの方法で今までやってきたんだ」というような人が多く、伸び代という意味では、期待できないように思います。今さら、負荷試験というリスクを伴うことをやるとは思えず、若い力に期待するしかなさそうです。

東チモールは、医師たちもいかんともしがたい状況の中にいて、どうしていいか分からないということなのだろうと思っています。ただ、誰かが方向性を示すことで、大きな伸び代が期待されます。一方、恵まれているはずの日本は、もちろん日々精進し、ハイレベルな医療を行い、突っ走っている医師もいますが、その一方で、リスクを負いたくなく、自院の利益を優先して、専門医に紹介すらしない医師も結構いて、伸び代は全くと言っていいほど期待できない状況です。

私は、東チモールの方に一票ということで。