小児科 すこやかアレルギークリニック

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エピペンからの卒業
2016年02月17日 更新

最近は、負荷試験の希望者が多いです。

昨日は、5、6件やりましたが、県外から受診された患者さんもいらっしゃいました。有り難いことです。

食物負荷試験でしか食物アレルギーの正しい診断ができないにもかかわらず、全国的に患者さんが負荷試験を受けられる医療機関が少ないのは、日頃から繰り返しています。

それでも、だいぶ増えてきたのは確かです。私が負荷試験を始めた14年前は、全国のアレルギー専門病院でさえも、ここまで負荷試験を打ち出してはいませんでした。学会に行っても、食物アレルギーの会場は窓際族的な感じだったほどです。

せっかくやってくれるのですから、文句は言えないのですが、医師がえり好みをする場合があります。卵しかやらないとか、アレルギー検査の数値がクラス4以上はやらないという感じでしょうか?。

当院は、えり好みはしてないつもりです。一応、全国有数のアレルギー専門病院と同じような目線でやるというのが目標です。トップレベルの専門病院であっても、さすがにピーナッツがクラス6の患者さんにピーナッツは食べさせようとはしないはずです。

卵、牛乳、小麦がクラス6なら、負荷試験は勧めています。甲殻類などもクラス5や6だと少々ひるみますが、食べさせた実績があるので、挑戦しようと思っています。

開業医で、夜は対応できないので、免疫療法までは手が回りません。ただ、少量から加工品を用いて負荷試験を行えば、ごく一部の患者さんを除いて、食べさせるようにしています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーの患者さんの運動負荷までやっています。さすがにここまでやる開業医はそうそういないでしょうが、できることを「できない」とは言いたくないのです。結構、ウソをついたり、誤魔化したりする医師は多いので、そうはなりたくないと思っています。

卵や乳でアナフィラキシーを起こしたことのある患者さんにも負荷試験はやっています。「危険だ」なんて言われそうですが、当院の負荷試験のモットーは「負けるケンカはしない」というものです。卵料理や牛乳を摂取してアナフィラキシーを起こした場合、少ない量を含有する加工品なら食べられるんじゃないか?と考えます。

昨日、新潟市から来られた患者さんもそうでした。以前、卵成分を含む薬剤でアナフィラキシーを起こしたことがあり、エピペンも持つべきだろうと考えました。

少し間が空いていたので、卵クッキーから負荷試験をしています。紆余曲折はありましたが、卵焼きを食べられるに至り、何度も食べても何も起きないので、卵は除去する必要がないと判断しました。晴れてエピペンからも卒業できた訳です。

昨日、10代の患者さんにソバの負荷試験をやりました。

この患者さんは、小さい頃、ソバでアレルギー症状を起こし、ずっと除去していました。4年ほど前にアレルギー検査は低かったため、負荷試験に挑戦しました。100g完食後に、申し訳ないことにアナフィラキシーを起こしてしまいました。エピペンも必要だと判断しています。

それから4、5年経ったため、ソバの負荷試験をやったらどうか提案しました。一般的にソバは治りづらい食品とされるので、4、5年経とうが、専門医であっても除去継続と判断されることが多いだろうと思います。

前回の負荷試験も少量ではなく、完食後に症状が出てきたため、極めて重症ではないと判断しています。いずれ負荷試験が必要だろうと思っていました。そして今回、負荷試験のリベンジと相成りました。

結果は、何と口周囲に発赤が出たくらいで、他には何も起こりませんでした。拍子抜けするくらいです(笑)。

家でも何度か食べてもらい、大丈夫そうなら、ソバの除去の必要はなくなります。そもそもソバは給食では出ないため、学校給食には影響がありませんでした。好きではないため、家でも食べないかもしれません。ただ、仮に誤食してもアナフィラキシーを起こさないことが証明できたため、親御さんはうれしいでしょうね。

この子も、エピペンから卒業ができそうです。昨年も小麦でアナフィラキシーを起こしたお子さんが、エピペンから旅立ちましたし、今年もエピペンもしくは食物アレルギーからの卒業を目指し、頑張ろうと思っています。