食物アレルギーの診断書を書く機会が多くなっています。
地元には、負荷試験をやる医療機関がないので、当院に集中するのは当たり前なのですが、紹介がほとんどないのが気になります。
食物アレルギーに関しては、どうしようもない医者がいるのは確かです。アレルギー検査の数値だけしか判断する基準がないので、検査陽性=食べられないと診断している訳です。
実際には、アレルギー検査の数値は陽性であっても食べられることは多く、逆に陰性なのに食べられないことも経験します。そういう経験すらない医者が多いので、陽性=食べちゃダメという判断になってしまうのでしょう。困ったものです。
最近、別の困ったことがあります。園や学校が食物アレルギー対応に過敏になっていることです。
「もう無茶苦茶じゃないか」と思うのは、生卵を食べられないと、卵は完全除去というものです。給食では、生のものは出ないので、生卵うんぬんという話は当たらないはずなのですが…。
私の地元でも何度か聞くくらいですから、全国各地でこんな無茶苦茶な話が横行しているのかもしれません。
「調理実習で生卵を使うことがある」なんて反論する学校もあるようですが、そんな機会、小学校の6年間で何回あるのかって思ってしまいます。そもそも、仮に調理実習で使うにしろ、加熱調理してから食べるものですから、どうしてそういう発想になるのかって思ってしまいます。
混乱させているのは、「皮膚に付いて赤くなるのも食物アレルギーである」ということでしょう。学校はそれでさえも防がないといけないのでしょう。
そう言われると、生卵が皮膚に付いた場合、どうなるのかを調べないといけない場合もあります。
その場合、家で親御さんに生卵を皮膚に付けて赤くなるかを観察してもらっています。もしそうであれば、アレルギー診断書というか、学校の場合は生活管理指導表にそう記載しなければならないと思っています。
でも、実際、そうのように真面目に書いている医師はどれくらいいるんだろうと思っています。
ここまでの話なら、まだ分かるのですが、この前とんでもないケースに遭遇しました。
私が負荷試験をして、加熱卵が食べられるようになった患者さんに卵の除去は必要ないと診断書を書いたのですが、園側は生や半熟卵を食べられないとと主張しているようです。
驚いたことに、「家で半熟卵を食べさせてみなさい」と親御さんに要求したようです。ここまでくると、パワーハラスメントではないでしょうか?。
多くのアレルギー専門医は、生や半熟卵では負荷試験はやっていません。何故なら、生や半熟は強いアレルギー症状を起こしやすく、十分加熱することでアレルギー症状を起こしにくくすることができるからです。
それを食べられるようになれば、園での給食は問題なく他の子と一緒なものを食べられるはずです。ようやくそこまで辿り着いた患者さんに、とんでもない仕打ちをしようものなら私も黙っていないつもりです。
食物アレルギーに関する困りものは、不勉強な医師だけで十分です。


