先日の新潟県栄養士会の講演に招かれた時のことです。
私の講演後に、座長の先生から多くの画像も見せて頂き、分かりやすかったというようなことを言われました。
そうです、講演は文字をつらつらと並べるよりは、画像も入れて視覚に訴えることも大切だと思っています。私の狙いをご理解頂けて、良かったと思っています。
負荷試験をやった時に、何も症状が出なければ、患者さんと喜びを共有できます。それは何度負荷試験をやっても嬉しいことです。一方、症状が出てしまった時は現実を突きつけられた格好になります。親御さんも、もちろん本人も少なからずショックを受けると思います。
こんな時は、よほど症状が軽ければ、内服薬も使わずに様子をみますが、ある程度症状が出てしまえば、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬を使うことになります。もちろん、エピペンの適応であれば、エピペンの成分であるアドレナリンの注射を行なうことになります。
こういう時は、もちろん治療を優先しますが、治療中にこれは講演で使えそうだと思った場合、患者さんには申し訳ないのですが、写真を撮らせてもらえないか打診をします。
患者さんからすれば、なかなか断りづらいということもあるのでしょうが、本来の目的をお伝えしています。食物アレルギーの講演に力を入れており、じんましんの写真を撮らせて頂けないか?と正直にお願いしています。
誤食を起こし、じんましんが広がった場合に、エピペンを使うと思っている方も少なくないと思います。エピペンは呼吸器症状や消化器症状が強めに出た場合、ショックを疑えるような場合には確実に使えなければなりません。じんましんがどんなに体中に広がっても、それだけで死亡することはありません。
じんましんだけではエピペンの適応ではなく、呼吸器やショック症状もみられた場合に、ここぞとばかりに使うことになります。
講演でよく使う画像に、内服薬でもこれくらい有効だということを示すものがあります。春の負荷試験の時に親御さんにお願いして撮らせて頂いたものです。
対処の内服薬は、2段階で用いることがあります。抗ヒスタミン薬を使い、それでも改善なければステロイド薬を追加します。
私のよく使わせて頂いている画像とは、じんましんが身体に広がったため、抗ヒスタミン薬を飲ませたものの、じんましんは更に悪化し、ステロイド薬を追加したところ、ものの見事にじんましんが30分後には消失しているという写真です。
じんましんが広範囲に広がった画像を示すと、「エピペンを使うもの」と思う方も多いようですが、エピペンを使わずしてあっさりと症状が軽快している「証拠写真」を示すと「あぁ、そうすればいいんだ」とまさに分かりやすいと思うのです。
他にもじんましんの写真や、アナフィラキシーの時にみられやすい「紅潮」の画像も示しますし、皮膚テストの腫れる様子、食べ物が粘膜に触れるとどうなるかなど、多めの画像をスライドに入れ込んでいます。
エピペンのトレーナーを使った実践練習では、エピペンの試し打ちをした映像を見て頂いています。トレーナーは打っても「カチッ」という感じでたいした音はしませんが、実物はまさに「バチン」という大きめな音がします。「パチン」ではなく「バチン」です。「パ」でなく「バ」なのです。大きな音がして、ビックリして手を離さないように、この画像は是非とも見て頂きたいと思っています。
それらの動画と静止画に、先日もう一つ動画が加わりました。咳の画像です。
先日の負荷試験の際に撮らせて頂いたのですが、牛乳の加工品を使って負荷試験をした時に、重症な患者さんだったため、アナフィラキシーを起こしてしまいました。
急に咳き込みが始まったのです。幸い、気管支拡張薬の吸入で咳は止まってしまいましたが、咳という呼吸器症状の存在は、「これはマズい」というサインと捉えて頂いて構いません。エピペンをいつでも打てるように覚悟はしていましたが、使わずに済みました。でも、私はいつでも打てるように心構えを持っていました。
負荷試験の前は全く咳はしていなかったのに、負荷試験を始めたら、急に咳き込み始めたのです。負荷試験をやっている最中に、「この咳の動画を撮らせてもらおう」とひらめきました。やや痰がらみの咳でしたが、「こういう咳が出たら、エピペンを取り出す準備をして下さい」と注意を喚起することができます。
いつも講演の時はそれなりにご評価を頂いているようですが、画像を多めに取り入れていることが私の講演の特徴であり、そこがポイントでしょう。これも患者さんたちが撮影を許可して頂いている賜物だと思っています。
咳の画像も利用させて頂き、より多くの方に誤食時の対応やエピペンの使うタイミングなどを知って頂こうと思っています。


