小児科 すこやかアレルギークリニック

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百年の恋
2013年03月12日 更新

開業医は、医療も行ないますが、経営者でもあります。

医院という“お店”を、うまく経営していかないと潰れてしまいます。もちろん、そうなれば人ごとじゃなく、自分のため、スタッフのためにもそれだけは避けないといけません。

医療は一生懸命やっているつもりですが、経営に関してはまるっきりの素人です。こうすれば利益が上がる、というやり方はやっていないので、もし、経営のアドバイザーに診てもらったら、突っ込みどころ満載なんだろうなと思います(汗)。

いつも言っているように、今の保険診療は問題がとても多いと思います。昨日も市外から食物アレルギーの今後の対処法が分からないと相談の受診がありました。

まず、その前に赤ちゃんの時からアトピー性皮膚炎があるにを、かかりつけ医によって見逃されていました。アレルギーは病気を合併しやすく、ぜんそくも持っていることが結構と見受けられます。話を聞いてみると、ぜんそくの治療薬が一時使われていましたが、ぜんそくの「ぜ」の字も説明されていませんでした。

肝腎の食物アレルギーですが、1歳前の時に、卵を食べて体の広範囲に蕁麻疹が出たため、卵アレルギーと診断されていました。いつもの如く「食物負荷試験」が“隠蔽”されていました。例によって例の如く、家で食べさせるように指導されていました。

こういう既に卵を食べて症状が出たことのある人は、本物の卵アレルギーなので、解除は慎重にすべきだし、そもそも何をどのように食べさせるのか?、症状が出た時の対処法は?、どうなれば救急車を呼ばなければならないか?など全く指導しないまま、親御さんに“丸投げ”しています。

親御さんは、前医のいうことを信じ、少しずつ与えていました。何も起こらず良かったというしかありません。さすがに卵料理などは怖くて与えられない状況でした。そりゃ、そうでしょう。負荷試験の存在を説明し、今度医院で食べさせてみることになりました。

本来、かかりつけ医が、卵の解除が進まず困っていることに気付き、「食物負荷試験」のできる専門医に紹介状を書いて、卵の解除をお願いするのが筋だと思います。そういうことが日常的に行なわれていないのが、新潟県の現状だと思っています。

結局、親御さんからすれば食物アレルギーの食べ進め方を聞きたいと思い、遠路遥々受診されたのでしょうが、アトピー性皮膚炎、ぜんそくが見逃されており、食物アレルギーの対応もかなり乱暴というか患者さん任せなものでした。いろいろと説明すると、30分くらいはかかってしまいます。

多くの小児科医が、一人の患者さんに30分もかけることはしません。他の患者さんの待ち時間や、経営効率を考えるとそうなるのでしょう。また、患者が減ると収入も減ります。紹介状を書きたがらない医師が多いのは、これも問題でしょう。

アレルギーで困っている患者さんには、指導も含めしゃべることが沢山あります。しかし、そういう患者さんが多いにも関わらず、キチンと医師から向き合ってもらっている患者さんは極めて少ないと思います。

逆に、患者さんには初めて会っても、時間をかけて説明すれば、これまでどういうレベルの医療を受けてきたのか理解して頂けます。“百年の恋”も一気に冷めてしまうと思います。

同業者からは嫌われると思いますが、“百年の恋”を冷めさせるのも私の仕事だと思っています。

患者さんは、小児科医にアレルギーも詳しいはずと信頼して何度も受診している訳です。ところが、3つの病気を、すべておかしな対応をされていれば、親御さんも「これまでの通院は何だったんだ」と考えると思います。そういう現実を知って頂いて、初めて「前に進める」と思っています。

「前に進める」とは、県内の医療レベルをアップさせるという意味です。専門医とそうでない医師では、診療内容が大きく異なります。にもかかわらず、窓口では同じお金を払っています。私なら、間違った指導をしたらお金なんて頂けないと思ってしまいます。

「専門医は、やっぱり全然違う」ということを実感してもらえれば、アレルギーで困ったら、かかりつけ医に見切りをつけて、専門医にかからなければならないという発想につながると思っています。

県内はアレルギーの専門医が極めて少ないため、多くの患者さんが専門医の診療を受けられずにいます。ビックリするような“医療”を受けていることに、後で気付かされます。当院を受診されて、後悔する患者さんは大勢います。

開院以来ずっとそうですが、最近も市内外からガッカリするような“医療”を受けてきた患者さんが多く受診されています。“百年の恋”を冷めさせる作戦は、続行していかなければならないと思っています。