新年度が近づいているため、最近は、食物アレルギーの診断書の記載を求められることが多くなっています。
本当なら、食物負荷試験をやって最新の食べられる状況を評価をしたいのですが、インフルエンザ流行期につき休止中なため、現時点での食事の状況を聞き取った上で、記載しています。
また、エピペンの再処方のほか、新規処方も増えています。調布の死亡事故のお子さんと年齢が近く、これまで誤食がないため強い症状は出ていないものの、改めて考えると処方しておいた方が無難なのではないかと思ったケースもあります。
他にも、「この子も持っておいた方がいいな」と処方するケースがあり、やはり死亡事故の影響は少なからず受けていると思います。
再処方するケースは、これまで約一年間所持してきたエピペンを引き取ることになります。多くの専門医がやっていることですが、どうせ廃棄処分になるふるいエピペンを有効利用しています。どういうことかと言うと、保護者に“試し打ち”して頂くのです。
エピペンは練習用のトレーナーと言われるものがあります。見かけはソックリですが、プラスチック製で、当然のことながら打っても針は出ません。一方、本物は重く、打てば針は出ますし、バネ仕掛けでエピペンの成分のアドレナリンが放出されます。本物と練習用トレーナーでは、臨場感が最も異なります。
エピペンの講演では、エピペンの試し打ちしている動画を観て頂いています。「バチン」という大きめの音がし、バネ仕掛けでアドレナリンが注射されます。トレーナーでは「カスッ(?)」という感じで、残念ながら臨場感では少し差があります。本物を打つ時は、その音にビックリされる可能性があります。
この2週間ほどで、3人試し打ちをしようということになりました。2人は既に練習しています。もう1人は待ったを掛けました。その日は、あることを理由に中止したのです。
実は、その患者さんの父親が救急救命士で、場合によってはエピペンを業務として使う可能性があります。試し打ちは、お母さんではなくお父さんにやって頂いた方が、市民のためになるのではないかと考えたのです。
現在、エピペンを打っても良いのは、本人、患者さん家族のほか、教師、保育士と救急救命士となっています。私の知る限り、救急救命士の方は、プロとしてエピペンの取り扱いを学んではいますが、本物を使って打つ練習をしてはいないようです。
私の患者さんで、救急救命士がエピペンを使用して下さったケースはありますが、やはり初めてのことであり、緊張したとおっしゃっていました。であれば、今回に関しては、父親にやってもらった方が、より有益と感じました。私も多くの患者さんに処方していますし、いつお世話になるか分かりません。本物を使ってシュミレーションをしておくことが大切だと考えました。
お母さんにも同意して頂き、今度ご夫婦の予定のつく日に来て頂き、試し打ちすることとしました。
以前も、私の患者さんの通う小学校に出向いて、そこの職員全員にエピペンの扱い方を学んで頂こうと研修会を行ったことがあります。ちょうどその患者さんのエピペンの使用期限が切れることもあり、学校の先生の目の前で、本物のエピペンをお母さんが試し打ちしたところを観て頂いたこともあります。
より有効に使わせて頂こうと思っています。


